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犬を助けて

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第四章

 弘明は子供工藤隆と帰り道で名乗った彼と共にジロを連れてだった。
 彼の家にまで行った、そこで子供の母親病院で会った彼女そしてその夫とも会った。そのうえでお礼を言われ。
 謝礼まで受け取った、全部いいと言ったがそれでもと言われて受け取った。
 弘明にはいいこと尽くめだった、しかし。
 就職してからだ、彼は社長にこう言われた。
「ジロを撥ねた人も誰かわかったよ」
「誰だったんですか?」
「古閑吉久という新聞記者だよ」
「古閑?経産新聞のですか」
「あそこの看板記者だそうだね」
「あいつがですか」
「飲酒運転をしていてね、ビールを少し飲んだだけだったそうだけれど」
 それでも飲んでいてというのだ。
「運転を誤ってね、歩道にいるジロをね」
「撥ねたんですか」
「そうだったよ、あの男は飲酒運転だけでなく」
 これだけでも大問題だがというのだ。
「セクハラ、パワハラにネットで匿名で人種差別的な書き込みと」
「とんでもない奴だね」
「汚職の話もあってね、特定の団体や外国の政党からお金を貰って偏向報道も書いていたそうだしね」」
「疑惑の総合結社いや」
「悪事の総合結社だね」
「それでその悪事の中で、ですか」
「飲酒運転もあってね」
 それでというのだ。
「あれが最初ではないらしくて」
「それでなんだ」
「そう、そしてね」
「あの時以外にも飲酒運転をして」
「一週間前それで捕まったらしくて」
「そこでわかったんですね」
「色々な悪事がね、そして」
 そのうえでというのだ。
「その時の飲酒運転もわかって」
「ジロを撥ねたこともですか」
「捜査の結果わかったんだ」
「そうでしたか」
「すぐに賠償金を請求するよ」
 その古閑にというのだ。
「ジロを撥ねたことについてね」
「そうですか、犯人が見付かってよかったですね」
「全くだよ、しかし君の様な人もいれば」
 社長はこうも言った。
「その新聞記者の様な輩もいるね」
「人はそれぞれですか」
「そのことがあらためてわかったよ」
 こう言ってだった、社長は弘明の傍を離れ自分の仕事に戻った。弘明はその話を聞いてから犯人が見付かって捕まったよかったと思った。そのうえで仕事を続けた。


犬を助けて   完


              2020・7・23 
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