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ドリトル先生の競馬

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第六幕その七

「自分は自覚していなかったけれど」
「本当にどうしようもないね」
「そんなとんでもない人いたんだね」
「じゃあもうね」
「今は破滅してるね」
「そうなっているのね」
「そうなっているから」
 絶対にというのです。
「もう僕もね」
「どうしようもないみたいね」
「先生ですら」
「先生が何を言っても」
「それでも」
「実際に無駄に終わったし」
 先生は残念そうに言うばかりでした。
「再会してまた会っても」
「それでもだよね」
「どうしようもなくて」
「意味がないね」
「これじゃあ」
「うん。心から思うよ」
 こう言ってでした、そのうえで。
 先生は三時になると冷たい麦茶を飲みました、そうして日本の冷たい和菓子を食べてそれからさらにでした。
 西瓜を食べます、それから言うことは。
「いや、ここで西瓜を食べてもね」
「いいね」
「そうだよね」
「夏はやっぱり西瓜だね」
「日本の夏は」
「それこそ」
「日本は夏はね」
 先生は三角に切られた西瓜を先から食べつつ言いました。
「果物やお野菜が美味しいけれどね」
「西瓜が一番?」
「何といっても」
「そうかな」
「西瓜が」
「一番いいかな」
「そうかもね、冷やして」
 そうしてというのです。
「そうしてね」
「それでだよね」
「こうして食べる」
「切る形は色々だけれど」
「それでも食べるとね」
「それ自体でだよ」
 まさにというのです。
「西瓜は最高に合うよ」
「日本の夏に」
「そうだよね」
「西瓜だよね」
「これだよね」
「本当にね、しかし」
 ここでまた言う先生でした。
「イギリスにも西瓜はあるけれど」
「イギリスの夏にはね」
「日本の夏程合わないかも」
「こうして食べてみると」
「西瓜はやっぱり日本の夏?」
「そうよね」
「そうだね、イギリスの夏よりも」
 先生は西瓜を食べています、一切れ食べてもう一切れ食べます。そうしてそのうえでこう言ったのでした。
「日本の夏の方がいいかもね」
「そうだよね」
「西瓜にはね」
「イギリスの夏はね」
「お庭に出てティータイムかな」
「ホットティーで」
「それがいいけれど」
 それでもというのです。
「日本の夏はね」
「こうしてビーチにいたりね」
「花火を見たり」
「出店のものを飲んだり食べたり」
「あと西瓜を食べる」
「今みたいに」
「そして麦茶もだよ」
 これもというのです。 
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