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ドリトル先生の競馬

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第一幕その七

「比例するのかもね」
「代用コーヒーだと粗末なもので」
「普通のコーヒーだといいお菓子ね」
「飲みものと食べものは比例する」
「考えてみたらそうなるよ」
 先生はまた言いました。
「代用コーヒーを飲むレベルならね」
「お菓子もだね」
「粗末になるね」
「普通のコーヒーじゃないなら」
「食べるものであるお菓子も」
「そうなるよ、しかし考えてみると」
 さらに言う先生でした。
「代用コーヒーも飲み方次第だね」
「全く以てそうだよね」
「麦茶そっくりの味なら」
「冷やして飲めば美味しい」
「そして日本の夏のお菓子と合うのね」
「だから日本人なら」
 先生が今いる国の人達ならというのです。
「きっと美味しく仕立ててくれるよ」
「うん、日本人ならね」
「もうそうした工夫は凄いから」
「工夫への閃き凄いからね」
「色々思い付く国だからね」
 だからだというのです。
「もうそれこそね」
「僕達以上に凄い思い付きするかも」
「この国の人達はね」
「あらゆることにびっくりする思い付きするから」
「代用コーヒーでもね」
「驚く様な閃きを見せてくれるかもね」
「そうかも知れないよ、日本人っていうのは」
 この国の人達はといいますと。
「とんでもない閃きを見せるんだよね」
「あらゆるジャンルでね」
「理系でも凄いよね」
「地道に熱心にコツコツやっていって」
「そこに閃きが加わるから」
「余計に凄いんだよね」
「天才とは何か」
 こんなことも言った先生でした。
「九十九パーセントの努力にね」
「そこに一パーセントの閃きだよね」
「この二つが合わさること」
「それだよね」
「そう、閃きはふと出て来たり思い付いたりするけれど」
 そうしたものでもというのです。
「九十九パーセントの努力の中で育まれたりもするね」
「確かにね」
「そこで得たものがね」
 まさにというのです。
「閃きになったりするから」
「じゃあね」
「日本人の地道な努力が閃きを呼ぶ?」
「それでいつもあんな閃きが出るのかしら」
「まず努力する」
「このことから」
「そうかもね、しかしね」
 先生はこんなことも言いました。
「日本人は独創性がないとかいう批判はね」
「それあるよね」
「全然違うよね」
「日本人独創性あるし」
「凄いのどんどん生み出してるじゃない」
「それは間違いだよ」
「そう、これは日本を知らないからね」
 だからだとです、先生は皆にお話しました。
「言うことだよ」
「そうだよね」
「どう考えても」
「これは日本を知らない」
「だから言っていることで」
「日本の本当のことを知ったら」
「その指摘が間違いだとわかるよ」
 先生は一着でゴールした赤い大きな馬を観ています、そして皆に対して今度はこんなことを言いました。 
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