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ふんわりのんびり

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第二章

「ここよりずっと狭いですが」
「人は多い」
「はい、ずっと」
「じゃあここは」
「物凄く広く感じます」
「やっぱり。この県は北は人が多いけれど」
「南、この辺りはですね」
「こんなの。南の人口全部合わせても」
 そうしてもとだ、兎はさらに話した。
「政庁のある市よりも人が少ないから」
「そこまで違うんですね」
「文字通り田舎」
 兎はこうも言った。
「電車もこの村の駅が終点で」
「そこから南は、ですよね」
「通っていないから」
「もっと南に行くと」
「こんなものじゃないから」
「もっと田舎ですか」
「田舎も田舎、過疎地」
 そこまでだというのだ。
「ここもそうだけれど山に熊や狸や鹿が出るから」
「狐や鼬もですよね」
「普通にいるし里にも出て来るから」
「熊がですか?」
「熊は流石に出ないけれど」
 里まで下りては来ないがというのだ。
「山にいるから」
「そうなんですね」
「猿とかハクビシンも」
 兎は山を見つつ美幸に話した。もう村のすぐそこに囲む様にしてある。
「普通にいる」
「危ないんですね」
「大丈夫、近寄らなかったら」
 それならとだ、兎は答えた。
「ツキノワグマだから安心」
「そっちの熊はですか」
「北海道のヒグマは怖いらしいけれど」 
 それでもというのだ。
「ツキノワグマだったらまだ」
「安心ですか」
「ヒグマは呂布でツキノワグマは関羽」
「三国志ですね」
「三国無双好きだから」
「ゲーム出来ますしね」
「携帯もあるしそういうのは大丈夫。漫画やラノベは」
 こちらはというと。
「アマゾンがあるから」
「大丈夫ですか」
「日用品はコンビニと村のお店で買えるし」
「そういえば八百屋さんとかお肉屋さんはありますね」
「お魚屋さんも。だからこの村は」
「生活出来ますか」
「東京と全然違うと思うけれど」
 それでもというのだ。
「大丈夫」
「そうですか」
「そう、だから」
 それでというのだ。
「ここはここで暮らせる」
「そうした場所ですね」
「だから美幸もここにいて」
「そのうえで」
「ゆっくりして」
「過ごせばいいですね」
「そういうこと」
 兎は美幸に笑顔を向けて話した、美幸も笑顔で応えた。そうして村での生活に本格的に入っていったが。
 暫くしてだった、美幸は兎にクラスでどうかという顔で言った。 
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