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転生とらぶる

作者:青竹
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スーパーロボット大戦OGs
  0013話

「じゃ、この手紙を頼みます」
「分かりました。宛先は時流エンジン研究所のフェル・グレーデン博士ですね。機密保持の為、内容確認されますがよろしいですか?」

 購買員の言葉に頷き、手紙を預ける。
 今時メールではなく手紙というのはちょっと時代錯誤かもしれないが、相手からの要望ではしょうがない。
 フェル・グレーデン博士。エクサランスの心臓部分である時流エンジンを開発したメンバーの中心人物だ。
 士官学校に入学して数週間後に、博士の時流エンジンに関する論文が発表された。
 それを目にする事が出来た俺は、すぐにコンタクトを取る。
 ……いや、コンタクトって言っても応援してるとか、時流エンジンに興味があるとか、もしかしてタイムマシンが出来るのか? とかそんな内容のファンレターみたいなものを送っただけなんだが。
 だが、幸いにもタイムマシンの可能性を示唆したその論文は学会では良くて物笑いの種、悪ければ嘲笑を持って迎えられていた。そんな中で興味を示した俺に博士も好印象を持ったのか、既に10ヶ月近く手紙のやりとりをしている。
 だが、原作知識のある俺は知っている。時流エンジンはフェル・グレーデン博士の死後、その子供達によってエクサランスという兵器として完成する事を。
 時間の流れる場所であればどこででも採取可能な『時粒子』を動力源とする永久機関。時の流れは一定な為、一度に一定以上のエネルギーを生み出す事は出来ないという欠点もあるが。
 そして原作のアクセルが注目していたフレーム換装システム。戦場によってフレームを変更する事でより効率的な戦いが出来るようになる。
 エクサランス開発チームは10年以上前に決めた『野に埋もれている人物を見つけ出す』という方針の中で一番期待しているメンバーだ。
 博士からの印象も友好的なものだし、出来ればエクサランス開発チームはシャドウミラーで抱え込みたい。
 それが無理な場合、最低でも俺個人の繋がりは持っておきたい。
 そんな事を考えて教室へと戻ろうとした時、廊下で1人の男が待っていた。
 その男を見た時、動揺しなかった自分を俺は褒めてやりたい気分だ。

「アクセル・アルマー。ちょっと時間を貰えるか?」
「構いませんよ、キョウスケ先輩」
「じゃあちょっと食堂で話でもするか」

 キョウスケに連れられ、寮の食堂まで移動する。

「飲み物は?」
「何かお茶を適当に」

 食堂にある自販機で紅茶を奢って貰う。
 ちなみにキョウスケはコーヒーだ。

「さて、まずは2年時主席決定おめでとう」
「ありがとうございます。キョウスケ先輩こそ、主席で卒業ですよね? おめでとうございます」

 最初の話題は、特に差し障りのないものから始める。
 と言うか、正直俺としては現在のキョウスケには出来るだけ関わりたくない。
 なにせ、後数ヶ月でアインストに感染される人物なのだから。
 アインストに感染した後、下手に俺の事が記憶に残っていたら洒落にならん。

「ん、こうして改めて向かい合ってみると何を話していいのかちょっと分からんな。2年の主席はそれなりに駄目な奴だから色々と注意する事があったんだが、お前は殆ど隙らしい隙が見当たらない」

 ふぅ、どうやら3年主席と1年主席としての会話がしたかったらしい。取りあえず無難にやり過ごして記憶に残らないようにフェードアウトするのが理想か。
 ただ、士官学校で10ヶ月。それなりに長い期間生活してきてキョウスケとも頻繁にという訳じゃないが、それなりに話をする機会があった。
 その為、心のどこかでこのまま見捨ててもいいのかと考えているのは確かだ。
 だが、ここでキョウスケを助けたりした場合は完全に原作知識が通用しなくなってしまう。
 その事は最初にキョウスケと出会った時、十分検討した事だ。
 だから俺は、助ける事が出来るかもしれない目の前の男を見捨てる。自分自身が生き残る為にそう決めたのだ。

「キョウスケ先輩は任地先はもう決まったんですか?」

 紅茶を飲みつつ、尋ねる。
 この期に及んで、任地先がジュネーブであればシャトル事故なんて事が起きないかもしれないなんて事を心の片隅で考えながら。
 糞っ、いつの間に俺の心はこんなに弱くなった?
 既にリョウトを吸収しているというのに、キョウスケが死ぬのは駄目なのか?
 ……認めよう。確かに俺はスパロボOGsではキョウスケが好きなキャラだった。
 OG1ではリュウセイルートは1度しかやってないのに、キョウスケルートは10回以上クリアしている。
 だが、勘違いするな。ここは確かにスパロボOGsの世界ではある。だが、ゲームの世界であっても、現実なのだ。

「ああ、決まってる。だが、一応これも機密に当たるから、どことは言えないがな」
「やっぱりそういうものなんですか。でも、キョウスケ先輩程の腕があるなら、どこに行っても大丈夫ですよ」
「ふ、良く言うよ。いくら主席とは言え、まだ1年のお前と殆ど互角だというのに」
「いや、キョウスケ先輩はいらない所で賭に出るのが多すぎるんですって。この前のシミュレータでの模擬戦だって、なんでメガ・ビームライフルをネオ・プラズマカッターで切り払おうとするんですか。普通に回避しましょうよ」
「分の悪い賭程勝った時の当たりはでかいものだ」
「いや、でも結局切り払いが失敗してコックピットに命中して大破扱いでしたよね?」
「む」

 結局、俺とキョウスケとの会話はそれから30分程続き、夕食の時間になり人が集まって来た所で別れた。





 そしてその2ヶ月後。キョウスケはシャトルで原因不明の事故に遭い、キョウスケ以外の同期は全て死亡した。





「おい、聞いたか! 3年の先輩達が乗ったシャトルが事故でほぼ全滅だって!」

 教室に入ってきたクラスメイトの台詞に一瞬教室中が静まりかえる。
 ……やっぱり事故は起こった、か……
 思い切り苦い溜息を吐き、知らせを持ってきたクラスメイトへと声を掛ける。

「それは本当か? デマとかじゃなくて?」
「ああ、間違いない。教官達が騒いでいるのを聞いたんだ」
「DC残党のテロか? それともどこかの異星人がまた攻めてきたのか?」
「いや、原因不明らしい。少なくても教官達は知らないらしい」

 こっちでも事故の原因は不明、か。
 原作の方では確かシャトルにアインストがぶつかって起きた事故だった筈。
 もっとも、事故の原因は公式発表では結局不明なままだったと思うが。
 そして、ほぼ全滅という事は、恐らく生き残ったのが何人かいるのだろう。
 はたしてそれは、キョウスケ1人か、はたまたエクセレンも生き残ったのか。

「取りあえず、そんな大事故なら次の時間にでも教官達が知らせてくれる筈だろうし大人しく待ってる方がいいな」

 教室の全員に聞こえるように、このクラスの代表として話す。

「原因が不明と言う事は、テロや異星人の先制攻撃という可能性も捨てきれないという事だ。本当にあくまでも万が一、異星人の攻撃となると」
「……なると?」

 先程教室に走ってきた男が、ゴクリと息を飲み聞き返す。

「忘れたのか? ここは連邦のお膝元、ジュネーブだ」
「!?」

 それだけで俺の言いたい話が分かったのだろう。もしかしたら異星人がここに先制攻撃を仕掛けてくる可能性があるという事に。
 もっとも、今回の事故の原因を知っている身としては、その辺は全く心配していない。
 アインストが攻めてくるにしても、原作を見るに最低でもシャドウミラーの反乱以降になるだろう。
 つらつらと取り留めの無い事を考えていると、教室のドアが開き教官が入ってくる。
 その顔には厳しい表情が浮かび、ただでさえ強面なのがどこのヤクザだと言いたいくらいの面相だ。
 教官の迫力に押されるかのように教室は静まりかえり、皆の視線は教官へと集中する。

「教室の外まで騒いでいる声が聞こえていたぞ。知ってると思うが、3年の生徒達が乗っていたシャトルが事故に遭った。生存者は1名のみ。3年主席のキョウスケ・ナンブだけだ」

 教官が喋り終わった瞬間、教室の中がざわめきで満たされる。
 生徒の1人が聞いてきた噂なら間違っている可能性もあるが、教官の口から出たとなると間違いの無い事実であると認識したのだろう。
 にしても生存者は1名か。エクセレンが死に、レモンがこの世に生まれ落ちるか。

「これから教官達も色々と忙しくなる為、今日と明日は休校となる」

 教官はそれだけ言うと教室から出て行く。
 普段なら皆で喜ぶ所だが、3年の殆どが死亡という結果を聞いてはそれ所ではない。
 3年と知り合いだった者も結構いるらしく、泣き声も聞こえてくる。
 俺はもちろん泣かない。こうなる事を知っていて助ける努力をしなかったのだ。ただ俺が生き残る為だけに49人の命を奪ったのだ。そんな俺には、少なくても涙を流す権利なんて無い。

「アクセル、大丈夫か?」
「ああ」

 バリソンからの声に返事をし、席を立ち上がる。

「悪い。部屋に戻る」
「わかった。あまり気にするなよ」

 そう、既に賽は投げられたのだ。その上で俺がぐだぐだとしていれば、それこそ死んでいった人達に対する侮辱だろう。
 俺は生き残る。なんとしても、生き残らなければならない。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:8
PP:20
格闘:138
射撃:156
技量:148
防御:145
回避:173
命中:195
SP:206
エースボーナス:不明
成長タイプ:万能・特殊
空:A
陸:S
海:B
宇:A
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
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スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.4
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撃墜数:4 
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