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オズのキャプテン船長

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第十一幕その三

「オズの国の北東からね」
「オズの国に入るんですね」
「そうなってしまうんだよ」
「そうですか」
「そうなるんだよ」
「だからですか」
「そう、オズの国から外の世界にはね」
 海からはというのです。
「そして空からもね」
「出られないですか」
「本当に特別な方法でないと」
「外の世界にはね」
「じゃあ私達は渦から行き来していますけれど」
「ああしたものでないと」
 そうでないと、というのです。
「無理だよ」
「そうですか」
「じゃあ僕達はいつも」
 神宝は考えるお顔になって言いました。
「特別な方法でオズの国に来てるんだね」
「それで外の世界に帰ってるんだね」
 カルロスはその場合のことをお話しました。
「渦を使うことは」
「そう思うと」
 ジョージも言います。
「凄いね」
「オズの国と外の世界を自由に行き来出来ること自体が凄いし」
 最後にナターシャがお話しました。
「その時に使う渦もなのね」
「そうなんだよ、そのことは覚えておいてね」
 ヨルムンガルドは五人に穏やかな声でお話しました。
「よくね」
「わかりました」
 恵梨香はヨルムンガルドに答えました。
「そのことは」
「オズの国も奇跡だけれどね」
「オズの国と外の世界を行き来する方法もですね」
「どちらもね」
「そうなんですね」
「そうだよ、あと僕は普段はね」
 ヨルムンガルドは自分のお話もしました。
「海の中で寝ているんだ」
「海の中で、ですか」
「底でね、一日中寝ていることもね」
 それもというのです。
「あるよ」
「そうですか」
「何も食べなくていい身体だしね」
「蛇さんでもですか」
「うん、身体は普通の蛇だけれどね」
 大蛇でもというのです。
「海の中にいると身体全体から海の中にある養分を貰えてね」
「食べる必要がないですか」
「そうした身体だからね」
 それでというのです。
「大丈夫だよ」
「そうですか」
「食べなくてもね、そして一日中寝る時もあれば」
 その他にもというのです。
「お日様が見たいと顔を出すこともあるよ」
「海からですか」
「そして君達みたいにここに来る人がいれば」
 その時はといいますと。
「出られないことをね」
「注意するんですね」
「そうしているんだ」
「それでそれ以外の時は」
「いつもね」
「寝ていますか」
「そうだよ、それで君達はこれからどうするのかな」
 ヨルムンガルドは穏やかな声で今度は皆のこれからのことを尋ねました。
「それで」
「もう後はね」
 船長がヨルムンガルドに答えました。
「帰るだけだよ」
「エメラルドの都にだね」
「そうするつもりだよ」
「わかったよ、じゃあね」
「それならだね」
「もう境には来たし」
 それでというのです。 
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