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八条学園騒動記

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第五百三十四話 宇宙の旅その八

「自分だけ逃げる様なことはしないで」
「戦死者の割合も平民より多かったんだよな」
「それを見てもじゃ」
 まさにというのだ。
「連合側のエウロパへの意見が偏見だとわかるな」
「ああ、おいらにもわかるぜ」
「僕にもね」
 ライゾウもタロも博士に答えた。
「よくね」
「これ以上はないまでにな」
「わしは人類をずっと見てきた」
 それこそ人類が原人だった頃からだ、もっと言えば地球をそれこそ誕生したその時から見てきたのだ。
「だから余計に言えるのじゃ」
「人種とか民族で能力は決まらないか」
「個人でだね」
「そうじゃ、あと人間の進化は果てがない」
 博士はこうも言った。
「それこそ永遠にじゃ」
「進化し続けるか」
「限界はないんだね」
「わしに限界はないが」
 もっと言えばモラルや常識もないし人権意識もない、マッドサイエンティストに不要なものは一切持っていないのだ。
「人類も然りじゃ」
「何処までも進化していく」
「そうした存在なんだね」
「左様じゃ」
 こう二匹に話した。
「これがな」
「ってことはな」
「これからも進化し続けて」
「文明は凄くなっていくんだな」
「今以上に」
「左様じゃ」 
 その通りだとだ、博士は二匹に答えた。
「これからもな」
「今も凄いけれどな」
「相当にね」
「けれどか」
「人は進化していくんだ」
「人の進化は無限じゃ」
 博士は言い切った。
「進化したければ何処までも進化する」
「今以上にか」
「そうなるんだ」
「どの生物もそうじゃ」
 人間だけでなくというのだ。
「進化は無限じゃ」
「果てしなく進化してか」
「上に上がっていけるんだ」
「進化しようと思えば」
「それなら」
「そうじゃ、進化が途中で止まるということはな」
 それはというと。
「ないのじゃよ」
「何か博士らしくねえ言葉だな」
 ライゾウは博士のその言葉をここまで聞いてまずはこう言った。
「人間が嫌いじゃねえか」
「嫌いになったことは一度もないぞ」
「そうなんだな」
「小悪党は嫌いじゃが嫌いな生物は存在せぬ」
 一切という言葉だった。
「わしはな」
「そうなんだな」
「うむ、それで公平に見てな」
「科学的根拠もあるんだね」
 タロは博士がいつも言うこのことを問うた。 
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