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オズのキャプテン船長

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第八幕その七

「ムカラ=アバルっていうんだ」
「アバルさんですか」
「ムカラでいいよ」
 こう恵梨香に答えました。
「それでね」
「じゃあムカラさん」
 恵梨香はお名前を呼んであらためてお話をしました。
「モアイはどうして造るんですか?」
「外の世界ではわからないけれどね」 
 まずはこう前置きするのでした。
「こちらの世界では皆で彫っていくんだよ」
「この村の皆で、ですか」
「そう、この島の周りの海には大きな石が一杯あってね」
「その石を引き揚げるんですか」
「皆でね」
 海の上までというのです。
「それで後はピラミッドの石みたいに丘の上まで運ぶんだ」
「丸太を並べて」
「その上を進ませていくんだ、そしてね」
「モアイ像が一杯ある丘の上で」
「他の場所でもね」
 まさにというのです。
「置く場所まで持って行って」
「そしてですか」
「そこで皆で錐とかを使って」
「彫っていくんですか」
「そうだよ、一つずつね」
 そうしていっているというのです。
「ちゃんとね」
「そうなんですね」
「結構手間暇かけてるよ」
「そうですか、あと」
 恵梨香はムカラさんにさらに尋ねました。
「モアイはどうしてあのお顔なんですか?」
「うん、島で崇めている神様なんだ」
「神様のお顔ですか」
「伝えられているね」
「その神様のお顔を再現したものですか」
「そうだよ、そして造る目的はね」
 このことはムカラさんからお話しました。
「神様を讃えてなんだ」
「つまりモアイ像は神様の石像なんですね」
「そのお顔のね」
「そうだったんですか」
「それで僕達は今もね」
「モアイ像を造っているんですね」
「そうだよ」
 その通りだというのです。
「今もね」
「そうですか」
「これでわかってくれたかな」
「はい、そうした理由なんですね」
「オズの国のモアイ像はね」
 どうして造るのか、どういった目的で造っているのか。恵梨香達にお話しました。
「そうなんだよ」
「わかりました」
 五人共ムカラさんに答えました。
「そういうことですか」
「どうしてかなって思うことばかりでしたけれど」
「そういうことなんですね」
「いや、よくわかりました」
「神様の石像で」
「神様を讃えるものだったんですね」
「そうだよ、後ね」
 さらに言うムカラさんでした。
「僕達はモアイ像をとても大事にしているんだ」
「そういえばね」
 ビリーナが言ってきました。
「どの像も奇麗なままね」
「そうだね」
「いつも手入れしているのね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「どのモアイ像も奇麗なんだよ」
「石像だから滅多にどうにかならないけれどね」
「手入れは楽だよ、けれどね」
「その楽なことでもよね」
「怠るとね」
 全く何もしないと、というのです。 
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