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オズのキャプテン船長

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第八幕その二

「木が豊かでね」
「人も暮らせるね」
「そうなのよね」
「島は」
 ここで言ったのは恵梨香でした。
「周りに何もないから」
「そうよ、木を切っていって」
「そしてよね」
「木がなくなっても」
「島に木がなくなったら」
「もう他の島に移るしかなくなるから」
「だからイースター島でも」
 外の世界のこの島はというのです。
「人が暮らせなくなったんですね」
「そうなのよ」
「それでオズマ姫はですね」
「木を切った後はね」
「植えることを忘れていないんですね」
「そうよ」
「それもですね」 
 さらに言う恵梨香でした。
「ちゃんと南洋の木を植えていますね」
「そうよね」
「日本だと杉が多くて」
 植える木はというのです。
「花粉症の人は春に困ったりします」
「日本は凄い植林をする国よね」
「はい、ですがそれが」
「杉だとなのね」
「物凄く植えた結果」
 まさにというのです。
「春に困ったことになってます」
「日本の春っていうと」
 トロットはすぐに言いました。
「梅に桃、何といっても桜ね」
「はい、そうです」
「そうそう、オズの国でもね」
 ビリーナも言ってきました。
「日系人の人はね」
「桜を植えるのが好きよね」
「木を植えること自体が好きで」 
 それでというのです。
「お花が咲く木となると」
「桜よ」
「そうよね、それで春にはね」
「桜を観て楽しむの」
「日本人の楽しみの一つね」
「若し春に桜が咲かなかったら」
 どうかとです、恵梨香は眉を曇らせて言いました。
「もう春じゃないわ」
「日本人としてはそうなのね」
「ええ」
 本当にというのです。
「もう春なんて思えないわ」
「そこまで桜が好きな国もね」 
 それこそと言うビリーナでした。
「他にないわね」
「そうみたいね」
「恵梨香もわかってるのね」
「だって他の国の皆に言われるから」
 ナターシャ達を見てです、恵梨香はビリーナに答えました。
「日本人は桜が大好きだって」
「実際に言われるのね」
「そうなの」
「実際にそうだしね」
「日本人って桜大好きだよね」
「もう春は桜がないと春じゃないっていうか」
「そんな風だし」
 四人も実際に言ってきます。
「春って他にもあると思うけれど」
「そうだからね」
「桜がないと春じゃない」
「まさにそんな風だから」
「勿論春は他にも色々なものがあるわよ」
 恵梨香は四人にもお話します。 
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