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オズのキャプテン船長

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第五幕その九

「貴方達みたいに珍しい生きもの達に出会えたから」
「あれっ、僕達が珍しい?」
「そうなんだ」
「僕達普通にこの島にいるし」
「オズの国にもいるよ」
「だから珍しくないよ」
「特にね」
 二匹は恵梨香の言葉に鳩が豆鉄砲を喰らった様なお顔になって返しました。ですが恵梨香はその彼等に言うのでした。
「貴方達はもう外の世界にいないからよ」
「そう言うんだ」
「そうなんだね」
「ドードー鳥もステラーカイギュウもオオウミガラスもゼウグロドンもそうで」
 そしてというのです。
「貴方達もそうだからよ」
「そう言うんだ」
「それでなんだ」
「そうなの、こんなことは」
 それこそというのです。
「オズの国ならではよ」
「ううん、そう言われるとね」
「納得出来るね」
「そういうことならね」
「僕達もわかるよ」
「ええ、貴方達に出会えることは」
 外の世界にはいない彼等と、というのです。
「本当に神様に感謝すべきことよ」
「オズの国の神々にだね」
「そうするんだね」
「そうね、オズの国の神様は」
 ここでこのことにも気付いた恵梨香でした。
「外の世界の神様とは違ったわ」
「うん、そうだよ」
「実はそうなんだよね」
「外の世界の宗教とはまた違うよ」
「オズの国はね」
「オズの国を創造した神様達がいて」
 そうしてなのです。
「信仰されているのよね」
「キリスト教も他の宗教も存在しているけれど」
 船長も言ってきます。
「何といってもね」
「オズの国の信仰は、ですね」
「オズの国の神々へのものだよ」
「そうですよね」
「だから今もね」
「感謝すべきはですね」
「オズの国の神々だよ」
 彼等に対するものだというのです。
「君達をこの世界に導いてくれてね」
「そして色々な出会いや体験をさせてくれる」
「神々に感謝するんだよ」
「そうですよね」
「一緒に感謝しようね」
 オオアルマジロが恵梨香達に言ってきました、小さめの象位の大きさの身体で。
「ここは」
「オズの国の神々にね」
 オオナマケモノも笑顔です、その大きさはゴリラの倍はあるでしょうか。
「そうしようね」
「そうよね、それじゃあね」
 恵梨香達も彼等の言葉に笑顔で応えました、そうして皆でオズの国の神々に心から感謝しました。そうしてです。
 二匹の生きもの達は船長にあらためて尋ねました。
「今が冒険中かな」
「そうなのかな」
「うん、そうなんだ」
 実際にとです、船長は二匹に答えました。
「今はね」
「それじゃあだね」
「この島での冒険を続けていくんだね」
「そしてね」 
 さらにというのです。 
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