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森の野生児

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第三章

「何倍もあった、いやそっちの数はな」
「十倍はありましたね」
「向こうは星のモンで獣使いがおらんかったからな」 
 それでというのだ。
「そっちではほんまそれ位圧倒してたが」
「それでもでしたね」
「そっちでも無茶苦茶にやられた」
「倒されたモンスターや獣は復活させて負傷者は手当しましたが」
 それでもというのだ。
「そちらも酷くやれましたね」
「ああ、そやからな」
「モンスターや獣を強くして」
「数もな」
「増やしていって」
「再戦に挑もうな」
 こう話してだった、マリーメイアはまずはモンスターを引き入れることを優先させていった。そうして依頼をこなしていく中で。
 ある二人組のパーティーと会った、彼等も依頼を受けた冒険者達であった。一人は青年の馬人の司祭でもう一人はハイスクールを出たばかりと思われる森人の少年だった。少年の服は膝までのズボンにシャツそして素足という寒冷なカナダには場違いな服装だった。司祭は少年のサポートにあたっていた。
 少年はモンスター達を素手で獣めいた動きで攻撃し倒しかつ会話もして使役モンスターにもしていっていた、マリーメイアはその少年を見てデオリンダに話した。
「あの子は野生児やな」
「そうですね、素手で攻撃してますし」
 デオリンダもその少年の動きを見て話した。
「モンスターも引き込んでますし」
「あれは」
 まさにというのだった。
「かなりの子やな」
「ちょっとお二人と話してみるか」
「いや、それは」 
 その前にだった、そのパーティーは二人の目の前から離れて森の別の場所に向かっていた。その動きはかなり速かった。
 だがマリーメイアはその森人の野生児の少年についてこうも言った。
「あの子ひょっとして」
「心当たりあります?」
「トミー=コレッド君ちゃうか」
「コレッドというと」
「この辺りで一番でかい牧場やってる家でな、種族は森人や」
「その家の人ですか」
「ああ、あそこの三男さんが冒険者になったって聞いてた」
 その三男がというのだ。
「その子やな」
「そうですか」
「司祭さんは司祭さんでこの辺りで売り出し中の司祭さんや、オックス=ジョーンズやったか」
 マリーメイアは司祭の名前も話した。
「ええ冒険者や、二人共軍に誘うか」
「十星連合軍ですか」
「そっちに誘いかけるか」
「そうしますか」
「特にあの子はな」
 野生児の少年はというのだ。
「そうしよか、それとな」
「それと?」
「他の冒険者達のサポートしてくか」
 マリーメイアはこうしたことも言った。 
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