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オズのキャプテン船長

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第四幕その四

「変えたよ」
「そうだね」
「それとだけれど」 
 白い狐は船長にあらためて尋ねました。
「トロットさん達は知ってるけれど」
「この子達だね」
「うん、その子達は誰かな」
 恵梨香達五人を見つつ船長に尋ねるのでした。
「一体」
「うん、この子達はオズの名誉市民の子達だよ」
「ひょっとして外の世界から時々来ているっていう」
「その子達だよ」
 まさにというのです。
「この子達はね」
「噂には聞いていたけれど」
「この島に来たのははじめてだったね」
「うん、お会い出来て何よりだよ」
「あの、この狐さんは」
 恵梨香は白い狐を見つつ船長に聞きました。
「ホッキョクギツネですか」
「そうだよ」
 狐の方から答えました。
「僕はホッキョクギツネだよ」
「やっぱりそうなのね」
「僕のことを知っているんだね」
「学校の図鑑に載ってたの」
 それで知っているというのです。
「他の生きものの子達のことも知っていたけれど」
「僕のこともだね」
「そう、五人共図鑑をよく読んできたから」
 それでというのです。
「皆のことを知ってるのよ」
「成程、勉強しているんだね」
「学校の授業で動物図鑑をよく読んだから」
「ああ、学校でなんだ」
「それで知っていてね」
 それでというのです。
「皆のことも知ってるのよ」
「そのこともわかったよ」
「ええ、けれどね」
「けれど?」
「この目で見たのははじめてで」
 それでというのです。
「お話したこともね」
「はじめてなんだね」
「というか外の世界では生きものはお話しないから」
 そもそもというのです。
「だからよ」
「お話はだね」
「最初からね」
 それこそというのです。
「出来ないから」
「そこはオズの国ならではってことだね」
「そうよ、それでだけれど」 
 恵梨香はホッキョクギツネにあらためてお話しました。
「ここには寒い地域の生きものが全部集まってるのよね」
「そうだよ」
 ホッキョクギツネはその通りだと答えました。
「ここにはね」
「そうよね」
「だから僕もいてね」
「北極の生きものがいて」
「南極の生きものもいるんだ」
「本当に皆いるのね」
「だからね」
 それでというのです。
「皆と会えてお話出来るよ」
「それじゃあ今から」
「皆とだね」
「お話したいわ」
「ならこの島の中にどんどん入って」
 そしてというのです。 
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