レーヴァティン
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百十九話 ナイル川へその一
第百十九話 ナイル川へ
将兵達の休養は充分と見た、それで久志は遂に行動に移ることにした。
「出陣するな」
「いよいよだね」
「ああ、兵糧も武具も充分だしな」
久志は剛の言葉にすぐに答えた。
「明日にでもな」
「古王国に向けて出陣だね」
「幸い敵は攻めこなかったしな」
「うん、相変わらず守りに徹してるね」
「有り難いことにな、じゃあな」
それならと言うのだった。
「水軍も出陣させてな」
「そうしてだね」
「ナイル川の河口を掌握するな」
「最初はそこだね」
「そうするな、まずはな」
何といってもというのだ。
「ナイル川だよ」
「古王国はね」
「あそこをどう使うか」
「それが勝敗の決め手になるね」
「さもないとな」
ナイル川を上手く使わなければというのだ。
「本当にな」
「的確に攻められないね」
「あの国はな、間違っても砂漠からとかな」
「向こうの軽騎兵や駱駝騎兵の餌食だよ」
そうなってしまうというのだ。
「だからね」
「それでな」
「砂漠はな」
「絶対に入ったら駄目だね」
「道を通ってな」
南岸のそこというのだ。
「そしてな」
「ナイル川だね」
「あそこに入ってな」
そしてというのだ。
「進んでいくな」
「そうしていくね」
「水軍と協同してな」
「じゃあ芳直君ともね」
「もう話をしてるさ」
久志は港の方を見た、芳直は今そこにいるからそうしたのだ。彼も水軍の出陣が近いと見て用意をしているのだ。
「だからな」
「水軍ともだね」
「力を合わせてな」
「それでだね」
「ナイル川をな」
そこをというのだ。
「まず掌握するな」
「その為にも」
「水軍と力を合わせていくな」
「今回はそうするね」
「是非な、それとな」
「それと?」
「古王国は攻めてこなかったな」
久志はここでまたこの話をした。
「一度も」
「うん、密偵からの報告でもだよ」
淳二も言ってきた。
「あの国は街や砦の警護を固めてね」
「それで、だよな」
「こっちを攻めようとはね」
「そうした動きはだね」
「本当に一切ね」
「見せなかったんだな」
「そうだったんだ」
これがというのだ。
「本当にね」
「首都でもか」
「というかメンフィスこそね」
この街こそというのだ。
「僕達にとっては」
「今回最大の攻撃目標だよな」
「そう、敵の首都だから」
そうした街だからこそというのだ。
ページ上へ戻る