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レーヴァティン

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第百十八話 古王国その四

「やはり悪党はです」
「容赦せずにだな」
「処刑すべきです」
「賊は問答無用でそうすべきとかな」
「そうした意見もありますね」
「ああ、けれど屑でないとか」
 そうならとだ、久志も言った。
「殺すよりもか」
「はい、処刑をせずに」
「兵隊にしてか」
「戦力にすべきです」
「それがいいんだな」
「私としては、そして外道は」
 順一は厳しい顔になって話した。
「必ずです」
「処刑すべきだよな」
「この世界にも生きる価値のない輩はいますね」
「本当にな、何処でもいるな」
 久志もまた厳しい顔になった、そうして順一に話した。
「そんな奴は」
「例えば命を平気で弄ぶ様な」
「そうした連中はな」
「容赦なくです」
「この上なく惨たらしくな」
「処刑すべきです、魂もです」
 この世界では魂さえあれば身体がどうなっても生きることが出来る、だがその魂がなくなるとというのだ。
「消し去ってです」
「完全に滅ぼすべきだな」
「そうです、世の中どうしてもです」
「生きる価値すらない屑はな」
「います、私は本来はです」
「司祭だからな」
「はい、人の心を救うべきですか」
「救う価値のない奴はか」
「残念ながら万民を救う思想に至るとは」
 その様にはというのだ。
「まだです」
「至ってないか」
「仏教の弥勒菩薩の様な」
「どんな魂も救うか」
「そうした考えにはです」
「まだ至ってないんだな」
「はい」
 実際にというのだ。
「残念ですが」
「というかな、本当に救い様のない屑はな」
「救うことはですか」
「例えば命を何とも思わない様なな」
「そうした輩はですか」
「本当に生きる価値がないからな」
 これが久志の考えだった、実際に彼は為政者としてそうした輩には容赦なく逆さ鋸挽きや車輪刑、火炙り等にして魂も消している。そうしなければそうした輩は悪事を続けるからだ。
「サイコ殺人鬼とかな」
「放っておくとですね」
「本当に何人も殺すからな」
「そうした輩はですか」
「弥勒菩薩みたいなな」
「無限の力を持つ存在でないとですか」
「救えないからな」
 だからだというのだ。
「お前のその考えもいいだろ」
「そうですか」
「司祭でもな」
 人の心を救うべき聖職者でもというのだ。
「そんな奴を救えないとかな」
「考える必要はないか」
「というか殺してもな」
 その様にしてもというのだ、順一が実際に思う様な。
「当然だろ」
「仕方ないのではなく」
「だからサイコ殺人鬼とかな」
「世に放っておくとですか」
「殺し続けるからな」
 人をというのだ。 
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