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ドリトル先生と姫路城のお姫様

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第十一幕その十

「それでデザートじゃが」
「はい、そちらですね」
「飲みものは紅茶じゃ」
 こちらからお話するのでした。
「ミルクティーじゃ」
「そちらですか」
「うむ、先生の好みでな」
「僕の好みに合わせてくれたんですか」
「それでそちらにした」
 飲みものはというのです。
「仏蘭西や伊太利亜は珈琲が多いというがな」
「スペインもそうですね」
「そうじゃな、しかしな」
「ここはですか」
「また言うがこの度の宴は先生あってこそじゃ」
 それでここまでのものになっているからだというのです。
「それでじゃ」
「ここはですね」
「ミルクティーにした、そしてデザートは」
 いよいよそちらにお話がきました。
「三段のティーセットじゃ」
「おお、それですか」
「洋食でここまで出して英吉利がないのもと思ってのう」
「イギリスのものはないと思っていましたが」
「先生のお国じゃぞ」
 それならというのです。
「なくてどうする」
「そこまで気を使ってくれるとは」
「これも当然のこと、だからじゃ」
「最後のデザートはですか」
「ミルクティーとティーセットじゃ」
 イギリスのそれだというのです。
「そしてセットの内容はな」
「どういったものですか?」
「まず冗談はクッキーでじゃ」
「クッキーですか」
「そして中段はシュークリーム」
 お姫様も楽しそうにお話します。
「最後はバウンドケーキとなっておる」
「本当に本格的なイギリスのものですね」
「食材は日本じゃな」
「しかしです」
「英吉利の料理が出てか」
「僕としては嬉しいです」
 こうお姫様に言うのでした。
「本当に」
「ならよいがのう」
「あまり評価されないので」
 イギリス料理はというのです。
「ですから」
「しかしじゃ、ティーセットはよいぞ」
「それにビーフシチューやローストビーフも」
 亀姫も言ってきます。
「いいかと」
「調理次第でよくなるのではないか」
 これがお姫様の考えでした。
「実は」
「そうですよね」
「向こうの料理人の腕がではないのか」
 こうも言うのでした。
「結局は」
「食材と職人の腕が確かなら」
「大抵の料理は美味くなるからのう」
「そう思いますと」
「英吉利の料理が悪いというのは」
「料理人の腕でしょうか」
「盛り付けが悪いとも聞くが」
 お姫様はこちらのお話もしました。
「それも料理人の腕」
「そのうちですね」
「結局は料理人じゃ」
 この人達の腕次第だというのです。
「まことにな」
「だからですね」
「英吉利も料理人の腕がよいとな」
「自然と美味しいものを食べられますね」
「そう思うがのう」
「最近何とか変わったそうです」
 先生は二人のお姫様にこうお話しました。 
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