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悪夢の人形使い

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第五章

「随分と金になる」
「本当にそうですね」
「俺等は店からショバ代巻き上げてるけどな」
 マフィアの稼ぎの一つだ、ただ十星連合はそうしたことを徹底的に取り締まりマフィアの収入源を絶ってきている。
「こうしたことでもな」
「稼げますね」
「そや、それで自分にはや」
「ここで、ですね」
「人形を操ってもらってな」
 そのうえでというのだ。
「これからも稼いでもらうで」
「わかりました」
「しかもここに警官とかが入ってもか」
「私の妖術で」
 この言葉から部屋の隅で話を聞いている二人はローブの男、蛇人の彼の職業がソーサラーであることがわかった。妖術といえばこの職業だからだ。
「身体が人形の様に小さくなるので」
「ここにおる虫や鼠にやな」
「食い殺されて終わりです」
「それで自分自身を守ってるんやな」
「まだそうしたことは起こっていないですが」
 それでもというのだ。
「若し誰かが忍び込んでも」
「それで安心やな」
「はい、ではここで」
「さらにやな」
「稼いできます」
 操っている人形達に貴重品を盗ませてだ、こう言ってだった。
 二人はさらに飲んでいたがここでだった、彼等の話を聞いていたファラは共にいるシルビーナに言った。
「これでな」
「ええな」
「話は全部聞いた」
「人形はこの連中の仕業か」
「何かと思ったら」
「せこい悪事やな」
「けど悪事は悪事や」
 ファラはだからだと言った、そうしてシルビーナにあらためて述べた。
「それでや」
「ここはやな」
「そや、成敗しよか」
「あの娘の人形のこともわかったし」
 妖術師が操り悪事に使っていたことがというのだ。
「取り返せるし」
「ほなまずはな」
「この二人今からやっつけるか」
「そうしよか」
 二人はお互いの顔を見て頷き合った。そしてだった。
 ファラが二人に即死の術を浴びせた、すると二人はその場でこと切れた。すると二人は元の大きさに戻った。
「術者が死ぬとその術は切れる」
「お約束の展開やな」
「ほな後はこいつ等を警察に突き出して」
「それと共にな」
「あの娘の人形探そうか」
 こう話して実際にだった、ファラは警察に連絡するとともに少女が言っていた外見の人形を探した。するとその人形はすぐに見つかり。
 他にも多くの人形が見付かった、人形は後でそれぞれの持ち主に戻されカメダロスとソーサラーは警察で復活させられたうえで取り調べを受けファミリー全体で他の悪事も暴かれ死刑を含めた厳罰を受けた。
 少女は人形が戻ると二人に笑顔で言った。
「本当に有り難う」
「こうしたことはな」
 笑ってだ、ファラは少女に言葉を返した。シルビーナを入れて三人で少女の家のリビングで牛乳やお菓子を楽しみながら話している。
「冒険者やと当然や」
「そうなの」
「そやからお礼は嬉しいけど」
「当然だっていうのね」
「そやで」
「そうなのね」
「少なくともあたい達はそやで」
 少女にこうも言うのだった。
「まあそうした冒険者ばかりやないけど」
「お姉さん達だけ受けてくれたしね」
「まあそやな、とにかくな」
「今回のことは」
「あたい達はお礼はええから」
「そうなの。けれど」
 少女は報酬は出した、そうして言うのだった。 
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