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禍々しい美女

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第五章

「そしてな」
「そのうえでやね」
「水門の錆溶かすか」
「普通の幻術師は幻術見せるだけやけどな」
「私のアンジェリカの指輪は変身出来る」
「モンスターにもやな」
「強力なモンスターに変身するには気力を大きく使うけどな」
 だからドラゴンそれも相当に高位になると変身も難しくかつ長時間は無理だ。この辺り神具も万能ではない。
「けれどな」
「それ位のモンスターやとやな」
「楽に変身出来るさかいな」
「それでや」
「ここはスライムの力でやな」
「錆を食べてな、まずそうやが」
 錆はというのだ。
「スライムの身体やから大丈夫やし」
「ここはやな」
「スライムに変身して錆取るわ」
 こう言って実際にだった、ミニーはスライムに変身してそのうえで水門に付いて錆を溶かして食った。すると水門は二人でも簡単に開き。
 ソルトレイクシティーに水が戻った、かくして二人は市長から感謝の言葉を受けた。その後でだった。
 ミニーはジェーンをソルトレイクシティーのあるレストランに案内した、そこで自分でメニューを注文した。
 バストラミバーガーにボイルドベジタブル、七面鳥のローストにジャガイモをサワークリームとチーズを混ぜてコーンフレークを植えに乗せてオーブンで焼いたフェーネラルポテトにマカロニのパテそしてデザートにフルーツのゼリーを注文し酒はウイスキーを注文した。
 そうしたものを飲んで食べつつだった、街を救えたことを祝っていると。
 ミニーの手にあるものが宿った、ここで彼女の心の中に声が来た。その声が自分に告げる言葉をジェーンに話した。
「これはケストスや」
「確かアフロディーテの帯やな」
「ギリシア神話の美の女神のな」
「美の女神ってことはや」
 ここからだ、ジェーンは七面鳥の足にかぶりつきながら応えた。
「あれやな、自分が付けてると相手を魅了するな」
「そして幻術もな」 
 ミニーのその力もというのだ。
「その力を増してくれる」
「そうした力があるんか」
「そや、これも凄い神具や」
「ええもんが手に入ったな」
「それでな」 
 ミニーはさらに話した。
「私自身もな」
「変わったか」
「神託を乗り越えて」
 心の中に語り掛けてくる言葉はさらに言ってきていた、ミニーはジェーンにマカロニのパテを食べつつ話した。これが実に美味かった。
「そしてな」
「そのうえでやな」
「全体的に一回り強なったわ」
「そうなったんやな」
「そや、前に比べてな」
「それは何よりやな」
「そしてな」
 ミニーはさらに話した。
「この力を使って」
「それでやな」
「この世界救うで」
 こうジェーンに言った。
「新しい神具と強くなった力も使ってな」
「そうするな」
「そや、そやから今はな」
「飲んで食べてやな」
「英気養うで、新たな一歩の為に」
「そやな、ほなな」
「せいらい飲んで食べような」
 次への一歩の為にとだ、ミニーは笑顔で言ってロックのウイスキーを飲んだ。氷が溶けて程よく冷えて冷たい水で割られたそれは実に飲みやすく美味かった。


禍々しい美女   完


                2019・6・19 
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