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穢された霊山

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第四章

「孔君、君は遂に」
「おお、黄か」
 老人は医師を見て誇らしげな笑みで応えた。
「久し振りだな」
「そんなものに手を出してまで」
「俺は一番になりたいんだ」
「だからか」
「この世で一番偉い奴にな」
「その石の力を使ってでも」
「そうだ、泰山の神の力が宿ったこの石を手に入れたなら」
 それなたというのだ。
「俺はこの世界で一番偉い奴になれる」
「皇帝にでもなるつもりか」
「そうだ、この石の力でな」
「その石をすぐに手放しなさい」
 巴は得意化に笑う老人に冷静な声で告げた。
「さもないと貴方自身を害します」
「俺はこの世界を治めるんだぞ」
「泰山は天子それも聖天子の山です」
 巴は老人にこのことを告げた。
「邪な者が穢してもならずその神の力も」
「俺が手に入れたんだ」
「邪な者が手に入れるべきでありません、若し手に入れようとすると」
 その時はというのだ。
「必ず害となります」
「俺自身へのか」
「はい、ですからすぐに手放すべきです」
 巴は老人に言う、しかしだった。
 老人はあくまで手放さなさそうとしない、逆に止める一行に手下達を向けようとした。だがここでこうも言った。
「黄だけは助けてやれ」
「そこのお医者さんはですか」
「そうしろっていうんですか」
「子供の頃からのダチだ」
 だからだというのだ。
「それだけはするな」
「そうですか、じゃあ」
「この二人だけですね」
「そうだ、殺せ」
 こう言って巴と呉を襲わせた、だが二人は山賊達もっと言えばヤクザ者達の相手になる者達でなくあっさりとだった。
 ヤクザ者達を全て倒した、老人は腹心達を一瞬で倒した二人に怯んだ。その瞬間にだった。
 老人に雷が落ちた、それは直撃であり老人は石を持ったまま倒れた。医師が慌てて彼に駆け寄って見たが駄目であった。 
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