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寂しい女神

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第二章

「それに水自体がな」
「酒を抜いてくれるか」
「そやから二日酔いの時はや」
「今みたいにか」
「思いきり泳いでな」
 そのうえでというのだ。
「酒抜くで、それでシャワーも浴びて」
「すっきりしてか」
「一日はじめような」
「何か海の男やな」
 このことを実感してだ、ハウオファは言った。当然彼も泳いでいる。
「二日酔いを海で泳いで解消とか」
「実際海賊やしな」
「それでやな」
「海の男って言われるとな」
「その通りか」
「そや、ほなシャワー浴びて朝飯食って」
「ギルド行くか」
「そうするで」
 バイテから言ってだった、そのうえで。
 二人で泳いで酒を抜いた後はシャワーを浴び山の様にうず高く積まれている朝食を食べてそれからだった。
 ギルドの依頼を見て回ったがこれといったものはなくてだった。
 バイテはハウオファにこう提案した。
「ほな近くの海をな」
「船に乗って探して回ってか」
「神託探すか」
「そうするんやな」
「この辺り結構島が多くてな」
 タヒチの周りはというのだ。
「浮島もあるしな」
「浮島もかいな」
「そや、島があるとそのうえに浮島もある」
「この世界はそうであることが多いな」
「そやからや」 
 これからはというのだ。
「浮島も調べるか、いや」
「めくらめっぽうに探すよりもか」
「これはっていう島か浮島見極めて」
「それで探すべきか」
「今そう思ったわ、海賊稼業でもな」
 バイテは彼の職業からも話した。
「やっぱりな」
「めくらめっぽうよりもやな」
「事前にどんな場所かよお調べて」
 そのうえでというのだ。
「それでや」
「そのうえでやな」
「これはっていう獲物に向かう」
「それが筋やな」
「そや、しかもここはそれがしの地元や」
 この世界でもそうだというのだ。
「そう考えるとな」
「あてはあるな」
「それなりにな、ほな今から地図を開いて」
 タヒチとその周辺、浮島のそれまで描かれているそれをというのだ。
「そしてな」
「調べてやな」
「これはっていう場所に行くか」
「そうするか」
 こうしたことを話してだ、そしてだった。
「ここは」
「それがええやろな」 
 ハウオファはバイテの提案に同意した、だがここで彼はバイテにこうも言った。
「最初手当たり次第に探そうかって言うたんは」
「どうもな、海賊でもな」
「長い間その稼業から離れてるとか」
「結構すぐに離れたしな」
「領地とか治める様になってか」
「やっぱり海に出てばかりやとな」
「治められんか」
 ハウオファはバイテの言葉を聞いて納得した。 
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