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星河の覇皇

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第七十部第四章 賊達への攻撃その十三

「まずは犯罪組織を一掃するが」
「作戦の目標遂行ですね」
「その後だ」
「補給については」
「掃討の後我が艦隊はウイツロ星系に集結するな」
 副長にこのことを確認した。
「そうなっているな」
「我が軍の半分が」
「そこを補給基地にするのだな、では」
「作戦通りに」
「では今ウイツロ星系にか」
「補給艦が続々と向かっていてです」
 そのうえでというのだ。
「施設も作り上げてです」
「今回の作戦の拠点となるか」
「今のところコミュニティに目立った武力行使の気配は見えませんが」
「それでもだな」
「はい、何かあった時に備え」
 副長も答えた。
「物資だけでなく」
「基地機能も築いていくな」
「そうです、そしてです」
「作戦の第一段階の後でだな」
「まずはそこに集結です」
「そして以後の作戦に従事するのだな」
「そうです、ですが」 
 副長はさらに話した。
「今回の作戦においてのコミュニティはです」
「どれもだな」
「特に反連合的なものもなく」
「殆どが連合に素直に基準してくれるな」
「軍事行動には至らないかと」
「なら我々としてもいいな」
「集結し羽根を安めているだけでいいので」
 また艦長に述べた。
「それに越したことはないですし」
「しかもな」
「はい、五十個艦隊が集結しているのです」
 軍の半分だ、連合軍ではそうなる。
「五十万隻もの艦艇、しかも最新型ものもが」
「コミュニティに喧伝すれば効果があるな」
「無言の圧力にもなり」
「それだけでコミュニティを引き寄せるものになる」
「武力は見せるものです」 
 連合では強い考えだ、使うというよりもだ。
「しかも連合に参加した場合の特典を提示すれば」
「大抵のコミュニティは帰順する」
「彼等の自治や主権、アイデンティティは守られるのですから」
 連合の中の国家としてだ。
「しかも巨大な経済圏の恩恵も得られ」
「連合市民としてのサービスも得られる」
「悪い話ではないですから」
「大抵はそうだったしな」
 これまでの外縁部のコミュニティのことをだ、艦長は述べた。
「あの時はまだ中央政府軍はなかったが」
「各国軍が中央政府の指揮下で動いていました」
「しかしだな」
「それでもそうした状況でした」
 各コミュニティが即座に、場合によっては雪崩を打って連合に帰順してきたのだ。そうしたケースも連合千年の歴史では多かった。
「それこそマフィアやカルト教団が支配しているコミュニティでなければ」
「海賊が築いた国家なりな」
「ですから」
 それでというのだ。
「我等はウイツロ星系にいるだけでもいいのです」
「作戦の第一段階の後でな」
「コミュニティへにその姿を見せているだけで」
「ではな」
「はい、その時は要請があれば動きますが」
「今の作戦の後はな」
「ウイツロ星系で待機して」
 そしてとだ、副長はまた言った。 
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