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ある晴れた日に

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169部分:輝けダイアモンドその三


輝けダイアモンドその三

「それでな。行って来るな」
「けれどよ。一人じゃな」
 だがここで坪本が言ってきた。
「ちょっと心配じゃね?」
「だよな。こいつちょっと何するかわからねえところあるからな」
 佐々も坪本の言葉に頷いた。
「もう一人欲しいんだけれどな」
「俺が一緒に行こうか?」
「御前は駄目」
「御前だけはな」
 野本が名乗り出たがこれはすぐに否決されてしまった。
「はっきり言って音橋以上にやばいから」
「大人しくしてろよ」
「ちぇっ、わかったさ」
 皆に言われて仕方なく引っ込む野本だった。
「じゃあよ。俺以外か」
「ジャンケンで決めるか?後の一人」
「それともくじ引き?」
「それはいいわ」
 それはいいという言葉が出て来た。
「それはね」
「って竹林」
「まさかあんたが」
「ええ。私が一緒に行くわ」
 名乗り出てきたのは未晴だった。名乗り出ながら穏やかな笑みを浮かべている。
「それでいいかしら」
「まあ別にいいけれど」
「竹林ならむしろ音橋よりずっとしっかりとしてるしな」
「それだったらな」
「何か俺の方が厄介者になってきたな」
 正道は皆のやり取りを見てついつい言った。
「何だよ、それって」
「そうやってすねないの」
「あんたの為なんだから」
「俺の為かよ」
 皆の言葉を聞いてもそれでも釈然としないものを感じずにはいられない正道だった。
「それじゃあよ」
「あんたがリーダーで未晴がサブ」
「それでいいじゃない」
「何事もポジティブに考えなさい」
 五人で彼に言ってきた。
「だからここはね。あんたの為に未晴が名乗り出てくれたのよ」
「よっ、この色男」
 五人の言葉は自然と正道に対する煽りになっていた。
「美女連れてデートかよ」
「どれだけ果報者なのよ」
「御前等からかってるのか?」
「その通り」
「それ以外に見えるのかよ」
 ここでも煽りを続ける五人だった。
「まあそれでも未晴と一緒に行くんだったら」
「ボディーガードは宜しくね」
「ああ、それはわかってるさ」
 この言葉に対してはすぐに答えた正道だった。
「それはな」
「何だ、やっぱり色男じゃない」
「ねえ」
「何だよ、まだからかうのかよ」
「ああ、今度はからかいじゃねえよ」
 返す春華の言葉も表情も今は真面目なものだった。
「今度はな」
「じゃあ何なんだよ」
「はっきり言えば未晴に何かあったら洒落じゃ済まないからな」
「そういうこと」
 咲の言葉も真剣なものだった。
「あんたがボディーガードなんだから。しっかりしてよね」
「何か御前等話が変わってないか?」
「何言ってるのよ、男女カップルだと男の子が女の子護るんでしょ?」
「ねえ」
 今度は静華と凛が言う。
「だったら今回はあんた」
「そういうことじゃない」
「それでかよ」
「そういうこと。だから頼んだわよ」
 奈々瀬は正道の背中を左手で後ろから叩いて気合を入れてきた。
 
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