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離れ小島の怪

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第三章

「上手くいきましたね」
「そやな、アンデットモンスターへの結界か」
「これならです」
 田中は川端にさらに話した。
「鼠自体を捕まえられて」
「そこからな」
「調べられます、アンデットなら」
 この系列のモンスターならとだ、田中はさらに述べた。
「そこに思念があります」
「魂の存在やからな」
「はい、それを調べましょう」
「これからな」
 川端も応えてだった、二人は結界の中にいる鼠達をそのままにして島の腕の立つ聖職者を呼んだ。すぐに年老いた鰐人の藍色の神主の服装をした神官が来てだった。
 鼠達の思念を呼んだ、そうして二人に話した。
「この島で遥か昔にあった」
「それは」
「はい、飢餓があり」
「その餓えの思念ですか」
「当時は復活の術もなく」
「他の死んだ者を生き返させることもですね」
「出来ない時代だったので」
 それでというのだ。
「死んだ人はです」
「そのまま死んでいた」
「そうした時代でして」
 それでというのだ。
「この鼠達は」
「餓死した人達の思念ですか」
「そうです、ですがその時の餓死者の人達は島の山の中に社を設けて弔われていましたが」
「まさか」
 山の中の社と聞いてだ、田中はすぐにだった。
 目の光を鋭くさせた、そのうえで神官に話した。
「その山に行きます」
「今からですか」
「はい、その社に何かあったからです」
「餓死した人達がですか」
「怨霊となり」
 そしてというのだ。
「今回の事態を引き起こしていますから」
「だからですか」
「すぐにです」
「山に入られて」
「ことを収めます」
 こう言ってだった、田中は川端と共にその社があるという山の場所を教えてもらってそうしてだった。
 すぐに山に入った、山には魔物達もいたが彼等を退けつつ先に進み。
 山の中の社を見た、するとその上に巨大な木が倒れて社を潰していた。田中はそれを見て川端に言った。
「どうやら」
「木が倒れてな」
「虫か何かが中を食い荒らして」
「それでやな」
「木が倒れて」
 そしてというのだ。 
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