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徒然草

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64部分:六十四.車の五緒は


六十四.車の五緒は

六十四.車の五緒は
 その簾に五本の帯が付いている牛車というものは乗っている人が決まっているわけではない、その集団の中で最も偉い身分に登りつめたその人が乗るものである、と誰かが言っていました。
 そういえば確かにその通りです。牛車というものはただでさえ価値あるものでありそれを手に入れるにはやはりそれなりの地位や財産が必要であります。だからこそそこまでの牛車を手に入れるとなるとそれこそ集団の中でも最も偉くならあんければ手に入れられるものではありません。ですから乗っている人が決まっているものではありません、それは偉くなった人が乗るものです。誰が偉くなるかというとそうは一概に言えないものです。確かにそれは本人の力や人品が大きく関わってきますがそれと共に運勢が大きく影響します。その運が悪ければもうそれで駄目になってしまうものであります。運でそうなってしまうのならばもうそれで乗っている人が決まっているわけではないということになります。ですからそのような牛車も乗っている人は偉くなった人が手に入れてそのうえで乗るものであると言えるのです。話を聞いてそのことに気付いたわけであります。思えばかなり深い言葉であります。噛めば噛む程と申しましょうか、とにかく味わいもある言葉であると思います。


車の五緒は   完


                   2009・6・19
 
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