徒然草

五十五．家の作り

五十五．家の作り
　家の作り方についてですがこれは夏のことを考えて作るのがいいです。冬ならばどのようなところでも住もうと思えば住めるからです。ですが暑い時の作りが悪い家というのはもう我慢できないものであります。
　家に深い川を作りましてそこに水を流すというのはこれは涼しそうではありません。そうした川についてですがこれは浅く流れている方が遥かに涼しく感じられるものであります。細かいものを鑑賞する時についてですが開き戸のある部屋の方が戸がそのまま吊るせてひさしになる部屋よりも明るいものになります。天井の高い部屋についてですが冬は寒く灯りをともしてみましてもこれは暗くなります。大工の仕事をする時には必要のないところを作り込んだ方が見た目にも豪奢になりかえって色々なことに役立つのではないかと誰かが相談し合っていたのを覚えています。家の作りについても本当に色々と考えを及ばさなくてはなりません。全くもっと何から何まで難しいものであります。
　夏の暑さを感じてそこから家を作る、やはりこれであります。冬は本当に着込んだりすればどうにかなってしまうものです。ッ最悪布団の中に入ってしまえばこちらのものです。しかし夏はそうはいきません。そうしたことを考えて夏の暑さを思いそうして家を作らなければならないと思います。


家の作り　　　完


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２００９・６・１０