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徒然草

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210部分:二百十.喚子鳥は


二百十.喚子鳥は

二百十.喚子鳥は
 かっこうという鳥は春の鳥であると言われますが具体的にどういった鳥なのか詳しく書いてある書はなかったりします。真言宗の僧侶が書いたある書物にかっこうが鳴く夜においてその身体から魂が離れてしまうことを逃れる方法が書かれています。ですがこの鳥はかっこうではなくとらつぐみのことであります。万葉集の長歌の一つには霞が立つ春の夜長にとあってそれに続けてとらつぐみが歌われています。そうした歌のことも考えていきますとかっこうととらつぐみは似ているのでしょう。
 確かにかっこうの鳴き声は春に聞こえるものです。その鳴き声を聞くと春が来たのだとわかることも確かです。ですがこれととらつぐみはまた違う鳥でありますしそこは覚えておきたいことであります。
 春になれば鳥の声を聞くことができその鳥が何なのかをわかるということは楽しいことであります。だからかっこうととらつぐみは違うということは知っておきたいものです。それにしてもかっこうととらつぐみのことを違えて書いたこの書にしても書かれていることは実に面白いものであります。こうした考えがあるものだと思わずにはいられません。また万葉集のこの歌もいいものであることもここで書かせてもらいます。


喚子鳥は   完


              2009・12・10
 
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