| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

イメチェン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四章

「丈夫で動きやすくてね」
「いや、そうでもね」
「何が駄目なのよ」
「ピンクハウス系で登山行かないから」
 そんな服ではないというのだ。
「それでそのファッションはね」
「ないの」
「ないわよ、絶対に」
 それこそと言うのだった。
「だからね」
「私の今のファッションは」
「そう、その組み合わせはないわよ」
「ピンクハウス系はポーチでね」
 奈央も沙織に話した。
「靴も可愛いのでないと」
「駄目っていうの」
「そう、しかもそれでヤマンバメイクにするつもりだったのね」
「そうだけれど」
「余計に駄目よ、何かが違うわ」
「そうよ、それで奈央も」
 碧はまたしても奈央にも言った。
「あんたは何?」
「何っていうと」
「純白の詰襟にズボンって」
「いいでしょ、私のお祖父ちゃん海上自衛隊で二等海佐までいったのよ」
 上下共に白でボタンと肩章は金色だ、実に眩しい色彩だ。奈央はその恰好で碧に笑顔で語った。
「そのお祖父さん直伝のファッションよ」
「海上自衛隊の制服なの」
「そう、帝国海軍から受け継いだね」
「あんたその服悪目立ちで」
 それでとだ、碧は奈央にも話した。
「やっぱり街歩けないわよ」
「恰好いいのに」
「街を普通に歩ける恰好良さじゃないから」
「駄目なのね」
「それにそんな真っ白だと汚れ目立つわよ」
 沙織はこのことを指摘した。
「靴も白エナメルだし。ちょっとした汚れが」
「それこそなのね」
「滅茶苦茶目立つから」
「駄目なのね」
「そうよ、結局ファッションも三人考えなおすことね」
 沙織が結論を出してだ、そしてだった。
 三人はこちらも勉強しなおした、そうしてだった。
 メイクも工夫も練り直した、その結果。
 三人はそれぞれの個性をいい方向に活かした外見になった、それはというと。
「あっ、碧いいじゃない」
「赤似合うしね」
「派手目だけれどけばくなくて」
「いい感じよ」
 沙織と奈央は碧に言った。
「青のデニムのミニスカに黒いシャツとね」
「それでスカートと同じジーンズ生地の上着、赤いマフラー」
「いいじゃない」
「メイクも赤基調だけれど自己主張し過ぎない」
「髪の毛もショートをセットしてね」
「ええ、自分でもね」
 碧自身笑顔で話した。
「前よりずっとよくなったって思ってるわ」
「不死身に勝てるかも」
「そんなイケ具合よ」
「よかったじゃない」
 碧は好評だった、そして沙織については碧と奈央が言った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧