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許されない罪、救われる心

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47部分:第五話 エスカレートその三


第五話 エスカレートその三

 そしてだ。そのまま神無を連れて行ってだ。ゴミ捨て場に蹴り倒した。
 それからだ。ゴミを彼女の上にぶつまける。それも次々と。
「ほらほら、ゴミはゴミと仲良くしなさいよ」
「楽しいだろ?友達と一緒でよ」
「周りは友達ばかりよ」
「嬉しいでしょ」
 神無の上に次々とゴミを放り込みながら言うのだった。
 そしてだ。何とか起き上がってきた神無をだ。ゴミを入れる小屋の中にさらに蹴り込んだ。如月が後ろから思いきり蹴った。
「きゃっ!」
「そこで暫く反省してなさい」
 如月は彼女が朝に弥生に見せた態度を言った。
「そのうち誰か来るから」
「それまでお友達と仲良くしてろ」
「ずっとね」
「そこにいなさい」
 三人もそれに続いた。そうして扉を閉めて神無を閉じ込めた。 
 そのうえで何食わぬ顔で教室に戻る。もうすぐホームルームの時間であり机は何とか奇麗になっていたのである。
「ああ、戻ったのね」
「うん、話終わったから」
「待たせたな」
 その何食わぬ顔で弥生の言葉に応える。弥生は机を何とか奇麗にできてほっとした顔になっていた。それが四人にもわかった。
 その彼女にだ。その顔で言うのだった。
「それでそっちは終わったのね」
「よかったわね」
「ええ。ただ」
 ここでだ。弥生はいぶかしむ顔を見せた。そのうえで如月に対して問うた。
「ねえ。椎葉さんは?」
「ちょっとね」
「何か用事があるらしくて」
「それでね」
 いないというのである。
「私達と別れたのよ」
「だから今はいないわ」
「そういうことだから」
「そうなの」
 弥生はいぶかしむ顔のまま三人の言葉を聞いた。
「何時戻って来るの?」
「ちょっとわからないのよ」
 如月が答えた。
「それはね」
「そう。仕方ないわね」
 弥生はそれを聞いてまずは頷いた。
「じゃあ何時戻って来てもいいようにね」
「しておいたから」
 葉月も言った。彼は何とか処理を終えてほっとした顔になっている。
「全く。悪質だよ」
「そうだね」
 そしてここで岩清水も戻ってきた。
「これは絶対に特定の個人かグループの行動だね」
「そう思うんだ」
「うん、僕はそう思うよ」
 彼は何気なくを装って葉月に対して述べた。その時に微かに、誰にも気付かれないようにして如月達を見た。
「こんなことするのってもうね」
「最低よ」
「全くだね」
 弥生と葉月は純粋に怒りの感情を見せた。
「絶対に許さないから」
「そうだよ、許したらいけないよ」
「全くだよ。とにかく椎葉さんが戻って来たらね」
 こう二人に話す。
「全部終わったって言っておこう」
「ええ、その時は」
「そうしましょう」
 彼等はそう話した。そしてだ。
 ホームルームから一時間目に入った。それが終わっても椎葉は戻って来ない。それを見て弥生はいよいよ不安な顔になってきていた。
「おかしいわよね」
「そうだね」
 葉月が彼女の言葉に頷く。
「まだ戻って来ないって」
「何かあったのかしら」
「僕、見て来るよ」
 ここでまた岩清水が名乗り出てきた。
 
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