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原作者

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第一章

               原作者
 この時ある長期連載が行われアニメ化も何度か行われ世界的な人気になっているファンタジー漫画で議論が起こっていた、
 議論は何度目かのアニメ化の時だ、連載が長く続いているだけあってその作品もアニメ化がこれで何度目かという状況になっていて最初のアニメ化の時から随分歳月が経っていた。
 その時のキャストの発表が行われてだ、多くのファン達はこう言ったのだ。
「何で主役陣一新したんだ!?」
「前シリーズまででいいだろ」
「何か問題あったのか?」
「どの声優さんも現役だろ」
 だから問題はないのではというのだ、しかしだ。
 キャストは若手の今まさに名前を知られだしている若手声優陣ばかりになった、これまではベテランで安定した演技に定評のある声優陣だったがそれが変わったのだ。それで多くのファン達が驚き疑問を呈した。
 その中でだ、ネット上で誰かが言った。
「原作者の介入があったんじゃないのか?」
「原作者がか?」
「キャストに口出ししたのか?」
「あの人が」
「そうじゃないのか?キャストの一新なんてな」
 それこそというのだ。
「監督ですらそうそう出来ないだろ」
「アニメ制作会社でもな」
「それに出版社の方でもな」
「流石にそこまで言えないな」
「まして今回一新だからな」
「だとするとな」
「相当な力が働いたことは間違いないな」
 誰もがそれはわかった、声優陣の一新なぞ確かに相当な力を持っている者でないと出来ない。それでだった。
 誰かがだ、こう言ったのだ。
「そこまで力あるってなるとな」
「原作者か」
「原作者が言ったんだな」
「キャストを一新しろって」
「そんな風に」
「だからああなったんだろ」
 キャストの一新という事態になったというのだ。
「原作者位しかこんなこと言えないぞ」
「声優事務所のこともあるしな」
「そう考えたらアニメ制作会社も力ないしな」
 声優事務所との関係まで考えると、というのだ。アニメの世界も制作会社や出版社に音楽会社そして声優事務所と何かと入り組んでいると言われている。もっともそれが人の世と言ってしまえばそれまでだ。
 それでだ、彼等はネットで話すのだった。 
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