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清水港の鮪

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第二章

「だからね」
「私が水着になってですか」
「それを動画にあげるだけで」
「閲覧数もチャンネル登録もですか」
「どっちもぐんと上がるわよ」
「そういうことは」
 困った顔のままでだ、波音は先輩に答えた。
「あまり」
「したくないのね」
「はい」
 波音は今度はきっぱりと答えた。
「遠慮します」
「本当にのびるわよ、閲覧数もチャンネル登録も」
「ここは清水港の動画サイトチャンネルなんですよ」
 それでと言う波音だった。
「ですから」
「波音ちゃん水着にならないの」
「絶対に」
「そうなのね、そこまで言うならね」
 先輩も波音の凄く嫌そうな顔を見て述べた。
「いいわ」
「はい、絶対にならないですから」
「そうするわ、ただ閲覧数とチャンネル登録はね」
 先輩は波音が言うこのことについてさらに述べた。
「やっぱりね」
「増やしていくべきですよね」
「今以上にね」
「ですからいい動画をって考えています」
「それじゃああれよ」
「あれっていいますと」
「波音ちゃんの特殊能力を使っていきましょう」
 これが先輩の真面目な案件だった。
「そうして動画を作成してね」
「あげてですか」
「そのうえでね」
「閲覧もチャンネル登録も」
「増やしていきましょう」
「私の、ですか」
 そう聞いてだ、波音は考える顔で述べた。
「私空飛べますし」
「それよ」
 まさにとだ、先輩は波音に答えた。
「それを使えばいいのよ」
「空ですか」
「これまでお料理や港の人達、お魚や港の中や海は動画にしてきたわね」
「海の中も」
 そうしてきたとだ、波音は答えた。
「宣伝でしてきましたね」
「動画でね、けれどね」
「そうですね、お空はないですから」
「だからここはね」
「私が空を飛んで、ですね」
「動画を作成してあげたら」
 それでというのだ。
「どうかしら」
「そうですね、それじゃあ」
「今度の動画は」
「空から撮影していきましょう」
 波音の空を飛べる力を使ってとだ、こう話してだった。
 波音は実際に空を飛んでそのうえで動画を撮影することもはじめた、空から見た港や漁船の動きそれに海の上空から見た富士山等をだ。
 撮影して動画としてあげてみた、勿論波音の声での解説を付けてだ。すると。 
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