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かえって減って

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第三章

「痩せれば痩せる程いい」
「そう考えてたのね」
「昔は」
「そうだったのね」
「お菓子の魅力に負けて痩せられなかったけれど」
 それでもというのだ。
「今回ダイエットしてわかったわ」
「お菓子も我慢して運動したら」
「それでよね」
「身体も痩せて」
「それでよね」
「そう、体力が落ちて」
 このことを実感してというのだ。
「よくわかったよ」
「そういうことね」
「人間痩せても駄目」
「太っても駄目で」
「そこはバランスね」
「標準がいいってことね」
「それがわかったわ、人間ってね」
 まさにとだ、梓も言った。
「どっちもよくないのよ、ただね」
「ただ?」
「ただっていうと?」
「いや、太ってるからどうかって言う人が太ったら」
 その場合はというと。
「どう思うかしらね」
「自分もそうなったら」
「その時は」
「他人をデブって言って自分が太ったら」
 その時はというのだ。
「どうなるかしらね」
「何も言えないでしょ」
「その時は」
「自分もそうなったらね」
「そうよね、じゃあそういうことは言うものじゃないわね」 
 梓は今回のダイエットからもそうしたことがわかったのだ。
「やっぱり」
「あと太ってて痩せてから太ってる人けなす人とかね」
「そういうのもよくないわよね」
「昔の自分をけなすみたいで」
「それも嫌よね」
「そう思ったら」
 梓は彼女にしてはやや珍しいことにこう言った。
「太り過ぎ、痩せ過ぎもよくないけれど」
「そうしたことを他の人に言うこともね」
「よくないわね」
「自分もなるかも知れないし」
「気にしている人もいるからね」
「そこは気をつけないとね」
 梓は友人達に考える顔で言った、そしてだった。
 運動を続けそうして食事も楽しんだ。そうして彼女の標準体重を守った。すると非常に健康で快適な生活を送ることが出来た。


かえって減って   完


                 2018・10・21 
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