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転生貴族の銀河

作者:ドンコ
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第三十八話

帝国領


一年前とある宙域



「生産は既に100%の稼働率ですが」

と!報告した中佐が上司を見ると

「何か問題でもあったか?」

「司令官、嬉しい誤算ですぞ。月一で工程の見直しをしていましたが今の稼働率で半年前の120%の稼働率になっています」

「なんと!半年でか?」

司令官である中将が驚きを隠せないでいた。

「はい、この基地の全員が考えて毎日提案を皆で考え見直しをしてきましたが!
最初に基地全体の整理整頓など当たり前の事を.....
片付けや引き継ぎを十分に今迄は10分程度でしたが納得するまで30分でも1時間でも突き詰めて行くこれだけです」

「それだけなのか?」

「そうです、ですがこの引き継ぎで士気が上がりました。
全員に納得出来る現状を与えて休暇も週に二日と週に一度の半休を入れたのですが、これがリフレッシュできたとこの基地に事実上単身赴任しているので家族に手紙やTV電話で会話が増えて士気が上がったと言っています」

「そうなのか?」

基地司令官は一人考えていた。

自分は58歳で今迄は単身赴任は当たり前でそれを部下達に強制していたのか?

「稼働率の話は分かった、古い考えは捨てた方が良いのだな」

「そうでも無いのでは!」

「しかし.....若い者の考えで稼働率が上がって来たのだしな」

「違います、司令官が柔軟にこの考えを受け入れてくれたのでこの結果ですぞ。この基地全体が意思の統一がはかれたのです、難しい顔した司令官が作業員の考えを受け入れた事が皆に受け入れられたのです」

「そうか、そうなのか俺も変わったのだな?」

中佐に確認してみると

「はい、司令官は変わりました最近は作業員や兵士に声をかけては笑っています」

中佐は嬉しそうに自分の事のように

「.....家族からの手紙も最近俺が楽しそうだとな」

「最近は本当に楽しそうです」

「そうか.......全員の夕食にワインを一本..いや休日の前の日か休日にワインを一本差し入れてくれ」

「この基地で12万人居ますが?」

「問題無い、稼働率が上がりワイン一本でやる気を出すならな。これは来週の基地長会議で提案する事にする、もしそれで他の基地の稼働率に生産力が高まれば我が帝国軍が勝つのは不定出来ないだろう」

基地司令官はそのまま何処かに行ってしまった。


この後に周辺の基地の稼働率と生産力が上がっていった...





時は戻り



「ロルフ様」

「パウルかい何だい」

「三日で回復出来たみたいですね」

「だね、明日もこの感じなら身体は問題無しだね。余計な脂肪も無くなったし.....思考能力も回復して来てる」


「無理はしないで下さい、十日間は休暇ですので」

本気で心配する。パウルはロルフの性格的に兵士を一人でも多く連れ帰る為に無理をするのは分かり切った事で止め役が自分の役目とわきまえていた。




惑星同盟領内


「作戦成功だな」

高級ホテルの一室で普通に金持ちと認識される者達が話し合っていた。

「穀物関連は7倍に鉱物は10倍に跳ね上がり、我らの会社の経営は順調で文句も無い」

「後は時期をみて会社の株を全て売れば良いだけだな」

「自由惑星同盟の安値の債権を買い占めていけば任務は完了だな」

「「「「「完了だ」」」」」



彼等はジークヴァルト伯爵家の工作員でこの戦争で国の自由惑星同盟の不良債権を安値で購入するという任務があった。

帝国軍が侵攻し攻略し支配体制を布いた時に帝国の負債総額を軽くする為に暗躍していた。

帝国軍が戦争に勝利した時に同盟領の負債は自動的に帝国が肩代わりする事になる。その金額を少なくする為に彼らは今回の『帝国の進攻作戦』の情報を静かに漏洩させた、自分達が安値であらゆる企業の株を購入し高値で売れば良いだけの才覚が必要だが!
全員が才覚があった。


この考えはロルフが銀英伝に魅せられ、そして夢中になりその後の二次小説の中で出ていた話であったが、ロルフは7年という年月を掛けて専門の期間を作り実行までに至った経緯がある。


征服後は軍人の年金に遺族年金の保証等を保障しないと経済が破綻しその被害は帝国に波及する事になる。
出来る事は全て戦争前に片を付けて戦争に望むのだった。






「ロルフ様、緊急通信でアレックス・キャゼルヌの勧誘に成功と一文だけ」


えっ!


.....アレックス・キャゼルヌの勧誘成功だと






ロルフは思考能力が停止した........




 
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