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執筆手記

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ネタバレ注意【SAOIF】チュートリアルの続き

「パートナーを迎えたら狩りだな」

「足が止まった所を攻撃ですよね」

「次はスイッチゲージの使い方だな」

「攻撃したらゲージが溜まるんですね……でも普通のスイッチは出来ないんですか?」

「できるぞ? 俺達がスイッチと呼んでいる方法は、

 ソードスキルを使った直後の硬直を二人目がカバーする為に連携してソードスキルを重ねてるだろ?

 これを【蒼の追随】でやるとな、大抵の敵が消滅する。そして攻撃力が絶大な【蒼の追随】を持ってない奴はハブられる」

「【蒼の追随】の話はともかく、スイッチゲージのスイッチも連携できるんですか?」

「もちろん。多少はコンボが繋がればダメージボーナスが増えるな、ほれ、さっさとスイッチゲージを使ってみろ」

「あれ? 一撃で倒せませんでした」

「初期装備だしな、こんなもんだろ、次はお待ちかね槍装備の切り替えだ」

「クイックチェンジですね」

「今は敵が一体しかいないから違いが判らんが、次は雑魚が複数いるから槍と剣の違いが判るぞ」

「剣より槍の方がダメージ低いですね」

「今はチュートリアルだから敵が襲って来ないけど、

 本番が始まったら攻撃したモンスターが目の前に整列してくれるからな、槍で刺し放題になるぞ」

「やっぱり剣だと一体ずつしか攻撃できないんですか」

「諦めろ、このゲームで雑魚相手に最強なのは槍だ。次は手鏡のイベントだな」

「アバターを変えるつもりはないので、そのまま行きますね――――あれ?」

「どうした?」

「アバター変更画面になりました」

「さっきの選択肢を間違ったろ? 【容姿を変更しますか?】って問いに、キャンセルじゃなくてOK押したんだ」

「あぁそれで」

「さて、次はお待ちかね、一回目のガチャだ。HPゲージの下にメールアイコンが出てるだろ?

 そこから引継ぎIDを入力してスクショを取れ」

「スクショですか?」

「パスワードまで写さなくて良いが、IDをメモするより確実だな」

「はい、スクショとID入力完了しました」

「なら、HPゲージの下に実績アイコンが出てるからそこでIDの報酬を貰ってくれ」

「貰いました」

「またHPゲージの下にあるプレゼントアイコンからジェムを受け取ってくれ」

「受け取りました」

「ではメニューを開きショップからスタートダッシュガチャを回せ、

 250ジェムで11連できるのはこの一回だけだ、次は一回250ジェムか2500ジェム貯めて11連しかできない」

「250ジェムで11連回します」

「☆4のソードスキルが良い奴だ、狙うは【蒼の追随】のみだ」

「外れたらどうするんです?」

「ゲームを削除してアプリダウンロードからやり直しだな」

「インターネットの料金を定額で払ってる人は良いですけど、それ意外の人はパケット代が凄い事になりません?」

「パケット代を気にする奴はネットゲームやっちゃいけないだろ、数十万の請求が来るぞ?」

「月定額のプランに入ってない人はゲームをする権利も無いんですね」

「無料開放されてるスポット探してやるしかないな」


 世知辛い世の中だと思う。


「☆4確定演出は可愛い謎の少女が出るぞ、俺は一回しか見てないけどな」

「来てくれると良いですね、あ、ガチャがはじまりました」

「黄金が☆4だ、それまでに赤が混ざったら☆3以下だな」

「あ、来ました!! 謎の女の子!! そして『黒の剣士』です!! これって☆4ですよね!?」

「おー、一枚当たったか、えっと片手剣ソードスキル【鮮烈なる一撃】防御力低下中の敵にダメージ25%上昇」

「当たりですか!?」

「当たってはいる、当たってはいるが、これだけじゃ駄目だな」

「……駄目?」

「このゲームでの槍のチートっぷりは教えただろ? 【鮮烈なる一撃】は単体攻撃だからボス戦用だな、槍のソードスキルより威力はあるが、

 【蒼の追随】の全体攻撃と比べたら駄目駄目だ、このままはじめても良いがレベルが上げ辛くなって終わるパターンだ」

「それじゃあ、リセットですか、ゲーム削除してまたアプリダウンロードから?」

「IDはメモしてあるだろ? 気が向いた時にこのアカウントを育てれば良いさ、【蒼の追随】が出るまでがんばれ」

「本当にこのまま進めちゃ駄目ですか?」

「…………わかった、もう少し進めれば情報屋が一回分の250ジェム渡してくる、その一発勝負で駄目だったら諦めろ」

「――――――――わかりました!!」

「次はアイテム集めだ、頑張って来い」

「はい!」

「敵を倒したら、次は生産所の使い方だな、

 このゲームでは武器防具は敵が落としたアイテムを使って作るんだ。しかし、これがまた面倒でな」

「面倒?」

「作った武器防具は生産ボーナスがランダムで付くんだよ、

 HP強化、攻撃力強化、防御力強化の三種類だ。これが☆1~☆5までランダムに付く。

 HP強化☆3に防御力強化☆2とかな、狙ったボーナスが付くまで繰り返す事を【厳選】って呼ばれてるな」

「お勧めの厳選ってありますか?」

「プレイスタイルにもよるな、素早く動き回って敵の攻撃はステップで避け続けてノーダメージクリアを目指したい奴は攻撃力強化だろうし、

 全部の攻撃を避けきれないし、攻撃力だけじゃなくHPも防御力も上げたいって奴はバランス型だし、

 RPGは防御力が全て、敵の攻撃を全てダメージ1にすれば、【何も怖くない】って奴もいるしなぁ」

「自分にあったスタイルが一番って事ですね」

「まぁ、チュートリアル中は盾しか作れないからな、さっさと作っちまえ」

「はい――――HPボーナス☆3が出ました」

「死に辛くなったな」

「これって、もう一回作っても良いんですか? 素材がまだあるみたいですけど」

「作っても良いけど金の無駄だぞ? このゲーム売値はどんな物でも1コルだからな、チュートリアル終わったらもっと強い盾も増えるし」

「どんなボーナスが付くかもう一回試してみたいんですけど……」

「この後は店売りの装備を整える予定だったんだが、金が足りるかな。まぁ試して見たらどうだ?」

「はい――――HPボーナス☆2と攻撃力強化☆3が出ましたよ!」

「うん。正直微妙」

「……ですよねぇ、素材も無くなったし次に行きますね」

「次は鍛冶屋か、ここはソードスキルの強化や武具の強化をする所だな、生産所で良いボーナスが付いた武具を鍛えるんだ」

「今は武具だけですね」

「生産ボーナス付いてるのはさっき作った盾だけだろうから、盾の強化だな」

「盾は2つ作りましたよね、どっちを鍛えようかな」

「ボーナス2つ付いてる方だろ」

「あれ? これって一回選んだら他の装備は選べなくなるんですか?」

「左上の二行目に【装備再選択】があるだろ?」

「あ、ありました。ボーナスが2つ付いた盾を強化しますね――――強化アイテムを何個使ったら良いですか?」

「一個で良い、お試しだし、強い盾はこれから沢山増える」

「全部注ぎ込んだら駄目なんですか?」

「お前、気になったら全部試さないと気がすまないのか?」

「やってみたくなっちゃいまして」

「損をするのはお前だしやってみたら良いんじゃないか? ちなみに槍は両手装備だから、その盾は装備できんぞ?」

「え? 片手剣なら盾を装備できますよね?」

「もちろんできるが、槍を使わないと雑魚倒すのは面倒だぞ?」

「とりあえず、【鮮烈なる一撃】が当たりましたし、使ってみたいんですよ」

「まぁがんばれ」

「はい」

「強化が終わったら、おまちかね単発ガチャだ。

 別に此処で単発を引かずにイベントをこなして11連分のジェムが溜まるまで待つのも良いがどうする?」

「今引きます!」

「【蒼の追随】が出なかったら、ゲーム削除してアプリダウンロードな?」




 結果から言うと、この日から五日間【蒼の追随】は出なかった。 
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