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レインボーロケット団襲来!〜愛の女神ルリと平和の女神リーリエ〜

作者:さき姫
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トウヤVSアオギリ

1階西側の探索を続けるキョウヘイ、ミヅキ、トウヤは侵入を阻むしたっぱ達を退け先へ先へと進んでいた。そしてついにボスの一人が待ち構えている部屋にたどり着く。

 

「奥にいらっしゃるボス、アニキみたいなお方でよ、不思議と周りの奴等が一致団結しちゃうんだよな」

 

レインボーロケット団のボスの一人の部屋を守っているしたっぱがこう言い残す。キョウヘイ、ミヅキ、トウヤはこの部屋に入っていった。

 

「ん?レインボーロケット団の団員は……、そうか……、負けてしまったか。借り物とはいえ可愛い部下達だったが……、残念だぜ」

 

青色のバンダナを被った男がキョウヘイ、ミヅキ、トウヤを見る。トウヤは青色のバンダナを被った男に問い返す。

 

「お前は誰だ!」

 

「……私はアオギリ、アクア団のボスである!野望を達成した瞬間、大波に飲み込まれこの世界に飛ばされたのだが……、レインボーロケット団のボスがここを提供してくれてな、帰る方法を探しているのだ。いずれは元の世界に戻るつもりだがその前に……、この世界も私の理想に近づけてあげようと思っている。かいていポケモンカイオーガ……、雨雲を操るその力で嵐や大波を呼び世界から陸地を消す!」

 

アオギリは自身が異世界で成し遂げた野望を語りこの世界も自身の思い通りにしようとたくらんでいる。

 

「何だって!?」

 

アオギリのたくらむ野望にトウヤは驚きを隠せない。

 

「命は海から生まれてきた……、海を増やす事で未来の命の可能性、全てを育む事になるのだ!まさに人やポケモンにとって実りのある理想的な環境だろう!?カイオーガ、そしてゲーチスが捕らえた愛の女神、ルリにこの世界をこの理想的な環境に近づけてもらう!」

 

「黙れ……」

 

海を増やし世界から陸地を消すという極論とルリを愛の女神として利用しようとするアオギリの言動にキョウヘイは怒りを爆発させようとしていた。

 

「海を増やして陸地を消しその野望のためにルリを利用するだと!?いい加減にしろ!そんな事をすれば陸地をすみかにするポケモン達が生きていけなくなるしルリだってお前の野望のための道具じゃないんだ!」

 

「キョウヘイさん!落ち着いて下さい!」

 

怒りを爆発させたキョウヘイをミヅキが止めるもキョウヘイの怒りは収まらない。

 

「離せ!ここは僕が戦う!」

 

「キョウヘイ、待って。ここは僕が行く」

 

トウヤは怒りを爆発させるキョウヘイに待ったをかけ自分がアオギリと戦うと名乗り出る。

 

「トウヤさん?」

 

「キョウヘイのポケモン達もミヅキちゃんのポケモン達もしたっぱ達との戦いで消耗しているだろう。君達は次に備えて体力を温存しておいてくれ」

 

トウヤは鋭い眼光でアオギリを見る。

 

「お前の相手は僕だ!アクア団のアオギリ!」

 

「……君も私を止めるつもりか、マグマ団のあいつと同じように。邪魔をするならどうなるかこのアオギリが分からせてあげよう」

 

アクア団のアオギリが勝負をしかけてきた!

 

「いけ!グラエナ!」

 

「ゆけっ!バオッキー!」

 

アオギリはグラエナ、トウヤはバオッキーを繰り出す。

 

「グラエナ!かみくだくだ!」

 

「バオッキー!かわらわり!」

 

グラエナのかみくだく、バオッキーのかわらわりが同時に命中する。かくとうタイプの技、かわらわりは悪タイプのグラエナにこうかはばつぐんだ。グラエナな大ダメージに耐えきれずに倒れる。

 

「次はこいつだ!クロバット、エアスラッシュ!」

 

アオギリの二番手、クロバットのエアスラッシュが連続でバオッキーにヒットしバオッキーのHPが削られていく。

 

「そっちが飛行タイプでくるならこっちもひこうタイプでいく!戻れバオッキー!ゆけっ!ウォーグル!」

 

トウヤはバオッキーを引っ込め、ウォーグルを繰り出す。

 

「ウォーグル、おいかぜからのブレイククローだ!」

 

ウォーグルはおいかぜですばやさを上げおいかぜの勢いがかかったブレイククローをクロバットに命中させる。

 

「負けるなクロバット!あくのはどうだ!」

 

クロバットのあくのはどうがウォーグルにヒットしウォーグルのHPが半分近く削られる。

 

「……この一撃で倒す!ウォーグル、ブレイブバードだ!」

 

「ウォー!!」

 

ウォーグルのブレイブバードがクロバットのHPを0にするがウォーグルもブレイブバードの反動ダメージが大きく倒れてしまう。

 

「ウォーグルお疲れ、ゆっくり休んでくれ」

 

「クロバット、よく頑張ったな」

 

トウヤはアオギリがクロバットに労りの言葉をかけた事を見逃さなかった。

 

(悪の組織のボスといえどもポケモンを思う気持ちはあるんだな……)

 

トウヤは頭の中でそう思うも今はそれどころではない。今はアオギリを倒す事が先決だ。

 

「私の三番手はこいつだ、ベトベトン!」

 

「べ〜ト〜!」

 

「僕はこいつだ、ゆけっ!ダイケンキ!」

 

「ダイケーン!」

 

アオギリはベトベトンを、トウヤはダイケンキを繰り出す。

 

「ダイケンキ、アクアジェット!」

 

必ず先制攻撃が出来る技、アクアジェットがベトベトンにヒットする。

 

「ベトベトン、かみなりパンチだぁ!」

 

「何っ!?」

 

ベトベトンのかみなりパンチがダイケンキに大ダメージを与えた。弱点をつかれたダイケンキはひんし寸前まで消耗してしまう。

 

「ダイケンキ……、アンコールだ!」

 

「トチ狂ったか!?自ら弱点をつかれにくるとは……」

 

ベトベトンはかみなりパンチをアンコールされかみなりパンチを繰り出す。ダイケンキは耐えられずに倒れてしまう。

 

「戻れ、ダイケンキ(これでいい……、これで……)」

 

トウヤは何か作戦を思い付いたようだ。

 

「ゆけっ!ナットレイ!のろいを積むんだ!」

 

「ナット〜!」

 

ナットレイはのろいを積みこうげきとぼうぎょをどんどん上げ、すばやさをどんどん下げていく。ベトベトンにはナットレイの弱点をつける技、ほのおのパンチを覚えているのだがダイケンキのアンコールの効果によりかみなりパンチしか出せないため、のろいでぼうぎょを上げていくナットレイを倒せない。さらにナットレイの特性「てつのトゲ」の効果によりベトベトンに少しずつダメージが蓄積していく。

 

「くそっ!ダイケンキにアンコールをうたせたのはこれが狙いだったのか!」

 

アオギリはトウヤの作戦に引っ掛かり焦りを隠せずにいる。

 

「のろいを最大まで積ませてもらったところで……、ナットレイ!ジャイロボールだ!」

 

ジャイロボールは自分のすばやさが相手より低いほどダメージが上がる技だ。ナットレイはのろいにより最大まですばやさを下げていたのでそのダメージは大きい。

 

「ベトォ〜……」

 

威力150のジャイロボールに耐えられずベトベトンは倒れる。

 

「戻れベトベトン!今度はお前だ!サメハダー!」

 

「メッハダー!」

 

アオギリはサメハダーを繰り出す。

 

「相手はサメハダーか、ならば……、やどりぎのタネ!」

 

「ナットナット!」

 

ナットレイはやどりぎのタネでサメハダーのHPをすいとっていく。水タイプのサメハダーにとってやどりぎのタネのHP吸収効果はそれだけで大ダメージなのに加え、さらにナットレイの特性「てつのトゲ」により接触ダメージも蓄積していきダウンしてしまう。

 

「まさか……、この私がここまで追い詰められるとは……!だが……、まだだ、まだ終わらない!私にはまだこの一匹……、かいていポケモンカイオーガが残っている!いでよ!カイオーガ!!」

 

「ぎゅらりゅるぅぅぅぅ!」

 

アオギリが繰り出した最後のポケモンはホウエン地方の海を司る伝説のポケモン、カイオーガだ。カイオーガは登場した瞬間、フィールドを雨状態にする。

 

「こ……これがホウエン地方の伝説のポケモン、カイオーガ……」

 

「凄い迫力……」

 

戦いを見守るキョウヘイとミヅキはカイオーガの威圧感を生で感じている。

 

「ハハハ……、これがかいていポケモン、カイオーガよ!」

 

「………」

 

かいていポケモン、カイオーガを目にしてもトウヤは少しも怯まずにカイオーガに指示を送る。

 

「ナットレイ、パワーウィップだ」

 

草タイプ最大威力を持つ技、パワーウィップがカイオーガに命中する。先ほど積んだのろいの効果によりさらに威力が上がったパワーウィップはカイオーガを一撃でノックアウトさせる。

 

「ぎゅらりゅるぅぅぅぅううあああッ……」

 

「バ……バカな……、かいていポケモンカイオーガがこうもいとも簡単に……」

 

アオギリの最後のポケモン、カイオーガが戦闘不能になった事によりこのバトル、トウヤの勝利だ。

 

「やった!トウヤさんの勝ちだ!!」

 

「トウヤさん……、凄いです!」

 

キョウヘイとミヅキがトウヤに駆け寄りトウヤを労いトウヤのポケモン達の治療をする。

 

「さすが……、だなッ!……、海を支配したアクア団の私が負けるとは……、分かった、君の力を認めよう」

 

アオギリは自身の負けとトウヤの実力を認めた。

 

「レインボーロケット団の城の部屋に進みたいならこの部屋の青の絵と東側の部屋にある赤の絵を調べるといい」

 

「分かった。この部屋の青の絵と別の部屋にある赤の絵を調べるんだな」

 

トウヤは絵を調べ秘密のスイッチを見つけ、スイッチを押す。

 

「君のようなトレーナーが私の世界にいたならば、我が野望は達成出来なかったのかもしれんな……」

 

「アクア団のアオギリ、あなたの身柄を確保するわ!」

 

ミヅキがアオギリの身柄を確保し三人はアオギリの部屋を後にした─── 
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