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魅惑のハンバーグ

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第二章

「バトルみたいになるよ」
「お腹一杯になっても食わないといけないんですね」
「うん、そうだよ」
「そうですか、そこまでハンバーグ食えるんですか」
「えっ、お腹一杯になっても食べるんだ」
「食った分は消化したらいいじゃないですか」
 日向はマネージャーに明るく返した。
「そうですよね」
「いや、それはその通りだけれど」
「俺の胃酸は凄い強力なんです、ですから」
「お腹一杯になってもなんだ」
「すぐに消化出来ますから」
 だからだというのだ。
「心配無用です」
「そうなんだね」
「はい、ですから」
「お腹一杯になってもなんだ」
「すぐに食えますから、特にハンバーグなら」
 大好物故にというのだ。
「安心して下さい」
「その言葉信じさせてもらってもいいかな」
「はい、是非」
「俺も食べもの残さないですから」
 如月もマネージャーに言った、だが彼の場合は持ち前の負けん気日向に負けるかという気持ちからの言葉だ。
「頑張って食っていきます」
「仕事の時はだね」
「お菓子もハンバーグも」
「じゃあ如月君もね」
「頑張って食べていきます」
「そうしてね、何店も回るからね」
 そうして食べていくこともだ、マネージャーは話した。そしてだった。
 日向と如月はその仕事に挑んだ、一店目では普通のハンバーグと目玉焼きを乗せたハンバーグが出てだった。 
 次はチキンバーグにポークバーグ、そしてだった。
 三店目ではチーズと豆腐バーグ、魚肉ハンバーグも出た。
 四店目はチーズを乗せたものにベーコンを乗せたものだった、しかも最後の和風ハンバーグは特大だった。
 二人でマネージャーと一緒に十時から六時までハンバーグ尽くしだった、当然食べた量も相当だったが。
 日向は仕事が終わってだ、満面の笑顔で言った。
「いやあ、最高でしたね」
「何枚食ったんだ、一体」
 その横では如月がもう駄目だという顔でいた。
「俺達は」
「一杯食ったな」
「あれだけ食ったのにか」
「満足してるぜ、俺」
「もう沢山とはならないんだな」
「だって俺ハンバーグ好きだからな」
 それ故にというのだ。
「だからな」
「平気なんだな」
「そうなんだよ」
 こう言うのだった。
「前に言ったよな」
「ハンバーガー食ってた時の話か」
「ああ、腹一杯になってもな」
「気合で消化してか」
「俺の強力な胃酸でな」 
 自慢のそれでというのだ。
「気合入れて消化してな」
「実際にそうしたんだな」
「それでな」 
 そのうえでというのだ。
「気合入れてな」
「消化してか」
「ああ、食ってたんだよ」
「どれだけハンバーグ好きなんだよ」
「大好物の中の大好物なんだよ」
 日向は如月に言い切った、仕事が終わった帰りの車の中で自分の隣の席にいる彼に満面の笑顔で話している。 
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