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俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか

作者:海戦型
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いつか終わるお蔵入りネタ集

 
前書き
次回こそ!次回こそ終わるから!たぶん。きっと、おそらく……。 

 
 
 オラリオをダンジョンごと掃討する為だけに力を注がれた終極殲滅兵器『繁栄を終焉せしめるもの(チクシュルーヴ)』。太陽の光を遮る一つの陰――神滅要塞ガガーリンが姿を現わした時、戦いの火蓋は切って落とされました。

 チクシュルーヴはこれまでダンジョンから定期的に吸い上げ続けてきた魔力や魔法具などの技術を総動員した上で、数多のドワーフたちによって改良に改良を重ねられ、重力加速による威力増大までを考慮した兵器。そこにアフラ・マズダの神力――宇宙は天界に近いので更に力が高まる――まで加わります。
半ば物質化するほど凝縮された魔力を撃ち出すその威力は、直撃すればオラリオという蓋を吹き飛ばしてその下深くに続くダンジョンさえ跡形もなく消滅させる威力を持っていました。もはやそれは地軸をずらし、星の自転速度を狂わせる事すら可能でした。

 容赦なく発射されるチクシュルーヴ。しかしこの日の為にオラリオそのものを結界の発生装置に改造した『バベル障壁』が展開されます。オラリオにいる全員の神の神力を動力源とした結界は最初、難なくチクシュルーヴを防ぎます。

 しかし防ぎ切ったのも束の間、間髪入れず第二射が発射。先ほどより明らかに威力の増加した一撃が再び結界に直撃し、結界が軋みます。そう、アフラ・マズダに協力するのは人間だけでなく、彼と同じく人間を見限ったり彼に傀儡とされている神も含まれています。その神々の力と物理法則の二重の威力。これには結界が軋みの音を上げますが、これも防ぎ切ります。

 が、間髪入れず第三射。威力は更に倍増、障壁が更に軋みます。これを乗り切るオラリオ勢ですが、ここに来て度重なる荷重に耐えきれず結界機能のあちこちがショートし始めます。結界の中核となっている黒龍から奪った魔石もあと一度耐えらえるかどうか。しかも次を防ぎ切ったとして、その次がない保証などありません。

 そして放たれる、今までで最大の威力の第四射。結界が受け止めますが、こちらの限界とあちらの威力増加で結界の負荷は限界に。ところが次の瞬間、神威に匹敵する莫大な力を放つ存在が地上に出て、チクシュルーヴに対して漆黒の光線を発射。しばしの拮抗ののち、黒い閃光はチクシュルーヴの攻撃を貫通してガガーリンにまで砲撃を到達させます。

 現れたのは、幽霊のように白く、陰のように黒い服を身にまとったダンジョンの主、『魔王』。
 彼女はアズに地上で事が起きることや友達を手伝って欲しいなどの事を伝えられており、約束を守る為に地上に現れ人類と神に力を貸したのです。

 この砲撃によってチクシュルーヴが破損、沈黙。ダンジョンごとオラリオを破壊するアフラ・マズダの計画は水泡に帰す――事はありませんでした。

次の瞬間、要塞ガガーリンがオラリオに向けて加速しながら落下を開始。しかも破損したチクシュルーヴにエネルギーを充填しながらです。それはガガーリンそのものをオラリオにぶつけて地表を吹き飛ばしつつ、発射不能になったチクシュルーヴのエネルギーを地表激突と同時に地下に叩きこもうという計画でした。もはや結界が限界になったオラリオは耐えられないし、たった一人でチクシュルーヴを防いで大気圏外を攻撃した魔王も直ぐには動けません。

 しかし、そもそも魔王は魔物の生みの親。

 彼女は事が始まるより遥かに前に、ダンジョンの外に旅立つ黒龍に言伝を頼んでいました。


 オラリオに近づく巨大な蛇。優雅なまでに鰭をたなびかせ、大気を強制的に水中へと塗り替えて進む呆れる程巨大なる怪物。

 オラリオに近づく巨大な猪。足場の有無など関係ないとばかりに『空中』に地響きを起こして突進する、呆れる程巨大なる怪物。

 オラリオに近づく巨大な龍。嘗てオーネストが見たそれより巨大に、速く、純黒の矢となって空を駆ける、呆れる程巨大なる怪物。

 リヴァイアサン。
 ベヒーモス。
 黒龍。
 嘗て人類に牙を剥いた最古にして最強の尖兵、『三大怪物』がガガーリンの前に立ちはだかりました。

 三体の完全同時攻撃。それは人類にさえ振るわれたことのない、三位一体最強の攻撃。
 それは魔王の最強の一撃に匹敵する絶大な破壊力を以てしてガガーリンを粉々に打ち砕きました。


 空を覆うほどに広がる爆炎。しかし、その中を動く影が三大怪物の隙間を潜り抜けてオラリオに迫ります。それは要塞ガガーリンの「上部」。攻撃が直撃する直前にチクシュルーヴ含む下部機構7割を切り離したことによって人的戦力を上部にのみ集中させ、ガガーリンがバベルめがけて突進。しかしこれをなぜかいち早く反応したベヒーモスが追い縋って接触したことで逸れ、ガガーリンはバベルの内壁を大きく抉って地面に衝突しました。

 これでやっと終わる――そう思った者は余りにもアフラ・マズダを軽視しすぎていました。
 バベル結界は物理的な結界の他、アフラ・マズダに連なる者を強制的に街の外に排除するためのもの
。それが度重なる砲撃でオーバーヒートを起こし、更には外壁という『円陣』が破壊されたことで完全に消滅。更に同時期に情報リークによって乗せられたラキアの軍勢をけしかけながらオラリオ内に突入。肝心の地表に衝突したガガーリン上部も最初から突入を想定していたかのように、空を飛べなくなっただけで中の者たちも含め健在。

 もちろんオーネストはそんなことは予想済みなので、彼の鬨の声と共にオラリオ冒険者たちは一斉に迎撃。オラリオ全域を舞台とした本当の最終決戦が始まります。
 アズの居場所はガガーリン内部。そこまでに邪魔をするすべての敵を切り払い、オーネスト最後の戦いの幕が切って落とされました。



 ちなみに、ベヒーモスがいち早く反応した理由は………「タルギタオスの断崖」の最奥地で眠っていたベヒーモスの所にやってきた修行中のココが「帰りの時間ないから送ってって!」と頼んでベヒーモスが「いいよ」と二つ返事したから、ベヒーモスに動くようココがお願いしていたというのが真実でした。
 断崖に住む何かというのはベヒーモス直属のレベル6相当モンスターたちで、最奥地にはスキタイの剣という伝説の錆びたボロ剣の折れたやつがあった、とココは言っていたとか。

 

 そして始まる大乱闘。この辺は大分省略していきます。

 アルガードの事件で出てきた現代最強の魔法使い、ガルドロット。
 神なき世界に賛同した子供の傭兵、エドヴァルト。
 黒龍編でココたちと交戦した人造魔物の製造者、女学者アード・E。
 ギルドを裏切ってアフラマズダの心棒者になったヨハン。

 その他いろいろ。ぶっちゃけ書き始めてから考えるつもりだったので決まってる方が少ないですが、それぞれがレベル7~8に相当する厄介な性質ばかり持っています。やりたいイベントは決めていて、主要メンバー全員に対応する敵とか作る気でした。

 ガルドロットは様々な科学的魔法解釈でこれまでの魔法使いの制約を大幅に超えた力を行使。彼は魔導の追及さえできればそれでよくアフラマズダに忠誠心はないため、圧倒的な力を振るう反面戦い方は「好きなおかずだけかじる」ような雑なもので、特定の誰かに頓着せずに荒らしまわる役でした。オーネストの魔法に大変な興味を惹かれて後であっさり寝返る予定でした。

 エドヴァルトは直接的な戦闘能力は低めだけど、傭兵としての経験から前線指揮と格上を殺す能力に特化しています。これは余談ですが、エドくんはハーメルンの二次創作にいた元傭兵の子供オリ主を見て「まったく元傭兵の要素ないじゃん」とショックを受けて作ったキャラで、二次主人公格くらいはありあす。レベル差を覆すために徹底的に相手を弱体化させて槍で突き殺し、傭兵の界隈では『悪魔槍(ヴェリアル)』の異名を持ちます。
 この子はロキ・ファミリアと激突した末にフィンに敗北して拘束され、「いつになったら地獄に着くんだ」と悪態を吐きます。

 アード・Eはヴェルトールみたいな人造生物の究極を追及していますが、行動目的さえ果たせれば形状も美学も関係ないという思想でレベル6~7に相当する従属生物を大量に生産して他の幹部格にも提供しています。
 科学者のアード・Eは科学的観点から機能性が低いとヴェルトールの人形をバカにし、ヴェルトールはヴェルトールでアード・Eの作品は醜いし魂が籠らない生ごみだと罵倒。二人は激突します。最初こそ圧倒的な機能性でヴェルトールを押し込むアード・Eでしたが、すぐに結果は覆ります。

 ドナとは女性、ウォノとは男性。そして互いに片翼。
 『完成人形(フィニート)』とは、完成した存在。
 完成とは、完結。雌雄同体。両翼。人を超えた存在。

 ヴェルトールが作った究極の人形、それはドナとウォノの『本来の姿』。

 フィニートの封印とは一つの完全なものを二つの性質に分けて二つの人形とすることであり、その封印を解くことは二人が融合して真なる姿を現すことにありました。
 右手に剣を、左手に杖を。美しき純白の双翼を広げたそれは、ヴェルトールの創造した究極の新人類。その戦闘能力はヴェルトール自身を超え、アード・Eの最高傑作を超え、完成した存在の名に恥じぬ圧倒的な力で攻撃。アード・Eはそのままフィニートの攻撃の余波を受けて塵一つ残らず消滅しました。
 フィニートはヴェルトールを深く深く愛しているため、それを馬鹿にした彼女がどうしても許せなかったようで、「力の加減を間違えてしまいました」と見え透いた嘘で薄ら笑いを浮かべていました。


 様々な戦い。様々な裏切り。

 そしてメジェド様。

 メジェド様は実はアフラマズダに協力していました。理由は「断る理由も別にない」から。しかしガウルを拾ってからは「断る理由が出来た」と関係を切っていました。しかしアフラマズダはそれでよくとも彼(彼女?)に一方的な恩義を感じたファミリアが新世界創生に立ち会ってもらおうと強引にメジェド様をガガーリン内部に連れ込み、それを取り返す為に激突します。

 最終的に、決着はメジェド様のファミリアとして本当に力を受け取った証、『闇蝕眼(ライトホール)』からの目からバスタービーム(命名アズ)で大逆転。戦いの余波でガガーリン外部に落っこちそうになったメジェド様を、これまたアズの改造で伸びるハンドになっていた『銀の腕』で助けたガウルは「腕さえあれば、貴方を助けられるんです」と笑顔で『答え』を出しました。
  
 

 
後書き
中からニトクリスが出てくるとかそういうのはないです。謎は謎のままでいい。つまり謎のとり天せんべい。天のせんべい、すなわち天空神オシリスの供物。大分県はエジプトだったんだよ。 
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