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165部分:ラグナロクの光輝その十九


ラグナロクの光輝その十九

 そこへパルジファルの艦隊の攻撃が前から浴びせられる。忽ち何十隻かの艦隊が火球と化しそのまま消え去っていく。
 ジークムントの艦隊は動きを止めた敵艦隊へ雪崩れ込んでいく。彼はすぐに機動部隊に指示を出した。
「艦載機を発進させろ!」
 彼は言う。
「敵がうろたえている今がチャンスだ!一気に流れを掴むぞ!」
「了解!」
 それに従い艦載機が次々と発進する。そして狼狽する帝国軍の艦艇を瞬く間に屠っていく。
 これで帝国軍は完全に混乱状態に陥った。パルジファルはそれを見て戦いを次の段階に進めてきた。
「左右の軍に前進命令を」
「包囲殲滅ですね」
「そうです。これで決めます」
「了解」
 これに従い左右の軍が動いた。最早これを止める力は帝国軍には残っておらずそのまま取り囲まれ押し潰されてしまった。かくしてケルンでの戦いは連合軍の地滑り的な勝利に終わった。残った僅かな帝国軍は算を乱してムスペッルスヘイムへ向けて壊走していく。まずはこれでよしであった。
「次ですね」
 パルジファルは敵がいなくなったのを見て言った。
「ジュッセルドルフからの敵軍です」
「ですね」
「すぐにジュッセルドルフに向かいますが」
「すぐにですか」
「そうです。この勢いをそのままに」
 彼は戦いに勝った勢いをそのまま次の戦いに持ち込むつもりだったのだ。その為にもすぐに戦いに向かいたかったのだ。
「次の敵を退けます。そしてジュッセルドルフも」
「わかりました」
 部下達はそれに頷いた。
「それではすぐに」
「はい」
「それで宜しいでしょうか」
「我々には異存ははない」
 他の六人もそれに応えた。
「今我が軍は勢いに乗っている」
「そのままの勢いで敵を倒しておきたい」
「そしてムスペッルスヘイムへ」
「行く為にも今は」
「後ろから迫る敵を退けておこう」
「畏まりました。それではジュッセルドルフへ」
「うむ」
 即座に反転してケルンから見て左手のジュッセルドルフへ向かう。だがその入り口で彼等は思わぬものを見たのであった。
 
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