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ドリトル先生と和歌山の海と山

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第五幕その十

「こんなにいいことはないよ」
「だからだよ、僕もね」
「吉宗さんみたいにだね」
「立派な王様になるよ、この人は将軍様だったけれど」
 それでもというのです。
「僕は目指すよ」
「吉宗さんをだね」
「そうしていくよ、他にも目指すべき人は多いしね」
「立派な王様になる為にだね」
「明治帝、昭和帝はね」
 この方々はといいますと。
「もうそれこそね」
「君主としてだね」
「絶対にそうなりたいってね」
「思うね」
「そう思うからね」 
 だからだというのです。
「目指しているよ」
「うん、僕もあの方々はね」
「立派だと思うね」
「今の陛下も皇室の方々もね」
「君主、そして皇室の方々としてだね」
「凄く立派だよ、本当に」 
 こう言うのでした、先生も。
「本当にね、イギリスでもね」
「評判がいいんだね」
「そうだよ、あとイギリスの君主だと僕は」
「どなたがいいかな」
「やっぱりエリザベス一世、ビクトリア女王はね」
「別格かな」
「どうしても女王が目立つ国だね」
 先生のお国のイギリスはというのです。
「ジンクスかな」
「女王の時に栄える国だっていうね」
「今の女王陛下もそうだしね」
「あの方もね」
「王子から見てだね」
「素晴らしいね、立派な方だよ」
「ああありたいとだね」
「思うよ、タイの前の王様もそうだね」
 この方もというのです。
「プミポン国王も」
「あの方もね」
「ああなりたいって思うよ」
「そうした方を多く知ることはいいことだよ」
「手本にすべき方々をね」
「そしてね」
「そうなろうと努力していくことだね」
 王子は先生に応えて言いました。
「人としてそれが大事だね」
「人は努力してこそだからね」
「天才は努力の必要はないというけれど」
「いやいや、それはまた違ってね」
「努力を努力と思わない」
「それが天才なんだよ」
 こう呼ばれる人達はというのです。
「モーツァルトもゴッホもいつも作曲して絵を描いていたからね」
「いつもしていたからだね」
「それは努力だけれど」
「本人達はそう思っていなかったね」
「モーツァルトは作曲していないと苦しかったみたいだよ」
 つまりいつも作曲をしていないと駄目だったというのです。
「そうした人だったからね」
「また違うんだね」
「そうだよ、努力をね」
「努力と思わない」
「天才はそうなのかな」
「そうしたものだね、じゃあ僕も天才になりたいね」
 先生のお話を受けてこうも思った先生でした。
「王様のね」
「王様の天才?」
「そうした人にね」
 こう先生に言うのでした。 
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