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おぢばにおかえり

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99部分:第十四話 騒がしい中学生その四


第十四話 騒がしい中学生その四

「何でそう思えるんだよ」
「ああ、変わった屋根だよな」
 凄い感想です。普通あの屋根を見てそれだけで済むんでしょうか。私も子供の頃あの屋根を見てこんな学校があるんだって唖然ってなったんですけれど。その時お父さんとお母さんに私が将来行くかも知れない学校だって言われました。実際に今通っています。
「そういえば」
「それだけかよっ」
 爆笑問題の突っ込みみたいです。私あの御二人は好きではないですけれど。
「だって色んな学校あるしよ」
「御前、ある意味凄いな」
 聞いていて本当にそう思います。こういう子だと三銃士のアラミスや上杉謙信が女性であっても全然驚かないと思います。私は驚きましたけれど。
「まあそれだけだな。でよ」
「ああ」
 連れの子はその子のペースに完全に入っていました。
「ここのお店のお好み焼きだけれどさ」
「美味いか?」
「ビール欲しいよな」
「えっ!?」
 今の言葉には私だけじゃなくてお父さんもお母さんも思わず声をあげてしまいました。特に私は今の言葉は聞き捨てならないものがありました。
「凄い子ね」
「そうだねえ」
 お父さんはお母さんの言葉に唸りながら応えています。
「見所があるね」
「大物ね、どうやら」
「何でそうなるの!?」
 そのお父さんとお母さんの言葉に思わず突っ込みを入れました。私も何か人に突っ込むタイプの人みたいです。今自覚したところです。
「男の子はああじゃないと」
「かえって駄目なんだよ」
「女の子はどうなのよ」
 そうお父さんとお母さんに聞き返します。お好み焼きを焼きながら少し憮然とした顔になっているのが自分でもわかります。
「女の子はそんな男の子を支えてあげるのよ」
「日様だから?」
「そういうことよ」
 にこりと笑ったうえでのお母さんの言葉でした。
「わかってるじゃない。だったらいいのよ」
「わかっているっていうか」
 私は今程自分の感情が言葉に出ているのを感じたことがありませんでした。本当に今までは。
「女の子損じゃないの?」
「そうじゃないのよ」
 けれどお母さんは私のその考えは否定します。
「いい、千里」
「うん」
 お好み焼きを切りながら二人の話になります。ソースに鰹節に青海苔にマヨネーズに。お好み焼きはどれが一つ欠けても駄目ですよね、やっぱり。
「女の子は赤ちゃんを産むのよ」
「それはわかってるけど」
「だったら身体をしっかりしていないと駄目じゃない」
「それなのね」
「だから日様なのよ」
 話が少しわかりにくくなってきました。私にとっては。
「いつも健康で何があっても大丈夫なようにね」
「男の子は違うの」
「男の子は月様じゃない」
 ここが天理教独特の考えというか何か日本独特の考えらしいです。普通は男の子が日様で女の子が月様らしいです。私には違和感あるんですけれど、男の子が日様っていうのは。
「だから。照らされるから」
「別にいいのね」
「そうなのよ。誰かを照らす為にはいつも丈夫じゃないと」
「千里も飲むのなら二十からな」
 お父さんもここで言ってきました。
「わかったな」
「男の子はいいのね」
「男の子は中学生に入ってからこっそりとだ」
 どうもお父さんはそうしてきたみたいです。それってかなり悪いと思うんですけれど。
「わかったな」
「わかりたくないけれどわかったわ」
 一応はそう答えはしました。
「女の子にとって損だと思うけれど」
「女はおみちの土台よ」
 またお母さんの言葉です。
「それはいつも言ってるじゃない。おみちは女の人あってこそよ」
「ええ」
 寮でも結構言われます。本当に教会とかだと女の人の方がかなり大変です。お父さんはあまり何もしなくてお母さんばかり動いて。女の人が会長さんやっておられる教会も多いんですよ。
「だからね。しっかりしないと」
「ええ。それにしても」
 またあの子をちらりと見ます。
 
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