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MS Operative Theory

作者:ユリス
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技術解説
  センサーシステム①


——MSの感覚器たるカメラ、センサー・システム——

 MSは、ミノフスキー粒子散布下の有視界戦闘に対応した機動兵器だが、MSのコックピットは装甲や防御壁に覆われているため、肉眼で外部の様子を視認することは不可能である。そのため、MSには外部モニタリング・システムが必要となったが、MSのそれらが特殊だったのは、一部の例外を除きコックピットからの視認ではなく、外部カメラやセンサーで得た情報をコンピューターで処理し、コックピット内のディスプレイに投影することで、視界を確保したことである。これは戦車や潜水艦のような密閉状態にある兵器として画期的なモニタリング・システムであり、この視認性なくしてMSはその戦闘力を発揮しない。特にU.C.0080年代中期から普及した全天周囲モニターによって、MSの死角はほぼ消滅し、あらゆる兵器の中でもトップクラスの視界を獲得するに至った。

 この画期的なモニタリング・システムを完成させるため、MSには頭部だけでなくあらゆる箇所に各種センサーが取り付けられている。その中で最大のセンサーが、頭部ユニットに設置されているメイン・カメラである。最初期に実用化されたMS用メイン・カメラが、ジオン公国軍のMSを「一つ目」「サイクロプス」と言わさしめた「モノアイ」である。ジオン公国軍製MSに採用されたモノアイの起源は古く、コロニー開発時代のU.C.0030年代、カノム精機が開発に携わったモビルワーカー用のカメラがその原型といわれている。MS-05A(ザクⅠ)で実用化されたモノアイは、MS-06(ザクⅡ)以後のジオン公国系、ネオ・ジオン系のMSやMAにも継承されただけでなく、U.C.0080年代中期には連邦系やアナハイム・エレクトロニクス(AE)製MSにも採用されている。代表的なモノアイと知られるザクⅡ用のモデルは、グラモニカ社製のメインフレームに、極初期型モノアイの開発に携わったカノム精機の光学デバイスとフェリペ社のセンサーを組み込んだもので、宇宙空間での適正に優れるほか、レーザー通信用の送受信器などが一体化した複合タイプのセンサー・システムであった。また、陸戦MS用は赤外線センサーなどが強化され、大気圏内での適性が向上しているなど、運用する環境に応じてマイナーチェンジが施されていた点も興味深い。

 これに対し、連邦系MSで採用された「デュアルセンサー」はガンダム系MSでも分かるように、頭頂部カメラと後方カメラ、そして双眼型センサーなどから構成されており、単一機能型センサーを並列装備している点が特徴である。また複数のセンサーの併用による視差を利用した結果、優れた側距離性能を持つとされるが、一年戦争時の極初期型は解像度に問題があったともいわれる。

 それぞれに特徴を持つモノアイとデュアルセンサーだが、U.C.0100年代に入ると新型のハイブリット仕様センサーが開発され、それに変更されていることとなる。




補足事項

——特殊なセンサーの使用法——

 センサー類を通常とは異なった用途で使用した例もいくつか確認されている。これはメイン・カメラが破損した場合や特殊な状況下で行われたケースが殆どで、サブ・センサーなどにメイン・センサーの代わりをさせたものが多い。これらの方法は有効ではあるが一時しのぎであるため、索敵能力などは通常のセンサーより劣っていることは言うまでもない。

■RX-79[G](陸戦型ガンダム)———頭部破損時にビーム・ライフルのセンサーを使用

 MSM-04(アッガイ)との戦闘で頭部を破壊された陸戦型ガンダムは、ビーム・ライフルの照準をメイン・センサーの代わりとした。

■MSZ-006(Zガンダム)———ザクⅡの頭部を装備して出撃

 頭部を破壊されたZガンダムは、応急修理としてザクⅡの頭部を装備して出撃した。しかし、全天周囲モニターは一部が機能せず、変形も出来なかった。 
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