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オズのトト

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第九幕その二

「けれどね」
「この山だとはだね」
「思っていなかったから」
 だからだというのです。
「少し驚いているんだ」
「まあ言ってすぐにそこというのはね」
「やっぱり驚くよね」
「言って少しあとだと思うね」
「普通はね」
「そうだね、しかしオズの国はね」
 このお伽の国ではというのです。
「こうしたこともね」
「考えてみればよくあるね」
「そうだよ」
 その通りだというのです。
「だからね」
「うん、この山を今からね」
「本格的に調べるんだね」
「そうしよう」
 教授はこう言ってすぐにでした、そのハブのところに行って声をかけました。
「君ちょっといいかな」
「何かな」
「うん、君はこの山に住んでいるんだよね」
「そうだよ」
 その通りとです、ハブは教授に答えました。
「とても凄しやすい山だよ」
「そうなんだね」
「それで貴方達は誰かな」
「私はムシノスケというのだが」
「ああ、オズの国の王立大学の学長さんだね」
「おや、知っているんだね」
「この山でも知らない人はいないよ」
 そうだというのです。
「僕も知ってるから」
「成程ね」
「オズマ姫もだし」 
 ハブはドロシー達も見て言います。
「ドロシー王女も他の人達もね」
「ひょっとして私達もかしら」
「勿論だよ」
 ハブは恵梨香に笑って答えました。
「オズの国の名誉市民の子達だよね」
「そうなの」
「君達も有名だから」
 オズの国においてというのです。
「僕も知ってるよ」
「それは嬉しいわ」
「これから宜しくね」
「こちらこそね」
 こう二人でお話してでした、そのうえで。
 今度はカエルマンがです、ハブに言いました。
「君に一つお願いがあるんだけれど」
「何かな」
「うん、君以外のこの山に住んでいる生きもの達を呼んでくれるかな」
「皆とお話がしたいんだ」
「そうなんだ」
 実際にとです、カエルマンは答えました。
「だからお願いしたいけれど」
「うん、わかったよ」 
 ハブはカエッルマンのお願いに笑顔で応えました、そしてです。
 すぐに皆を呼びました、すると。
 アマメノクロウサギやヤンバルクイナ、セマルハコガメ、ノグチゲラ、ケラマジカ、キシノウエトカゲ、リュウキュウキンバト、ケナガネズミ、オオコウモリにイリオモテヤマネコといった生きもの達が一杯出て来ました。
 その中で、です。ハブとは違う蛇を見てです。
 ドロシーはその蛇達にです、こう尋ねました。
「貴方達はハブじゃないわよね」
「うん、僕はヒャンっていうんだ」
「ハイっていうんだ」 
 その蛇達はドロシーに答えました。
「沖縄にいる蛇でね」
「ハブ君達とはまた別の種類の蛇なんだ」
「そうなの、貴方達も沖縄にいるのね」
「あの」
 恵梨香がドロシーに横から言ってきました。
「この蛇さん達は物凄く珍しいんです」
「あら、そうなの」
「八条学園の動物園にはいますけれど」
 それでもというのです。 
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