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儚き想い、されど永遠の想い

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351部分:第二十七話 このうえない喜びの後でその三


第二十七話 このうえない喜びの後でその三

「確かな考えを持っている人だからね」
「しかも情熱家で」
「自分の弟さんのことを思いながら我が国の勝利を願ってね」
 後世勘違いされたが実は与謝野晶子は日露戦争自体は支持していた。あの戦争が日本にとってどういった戦争はわかっていたからだ。
「そうして与謝野鉄幹先生ともね」
「駆けていって結ばれた」
「ちょっとやそっとのことじゃできないよ」
 義正は感嘆を込めて彼女のことを話した。
「いや、本当にね」
「そうですね。誰もがあの人の様にはなれません」
「けれどそうした人もいて」
 女性全体について話していく義正だった。
「最近は違ってきているから」
「だから私もですか」
「そう。女だからといった言葉はね」
 それ自体が最早というのである。
「時代にそぐわないよ」
「これからは女性もですね」
「男と同じdあけ働く社会にならないとね。そういえば」
「そういえば?」
「うん、天理教という宗教があるけれど」
 不意にだ。彼はこの宗教の話もはじめた。
「あの宗教は教祖は女の人だったね」
「確か奈良のですね」
「そうだったね。女の人がはじめた宗教か」
「また随分と変わった宗教ですね」
「うん、面白そうだね」
 こんなことも言う彼だった。
「一度話を聞いてみるかな」
「そうされるのですか」
「八条町にも来ているみたいだし」
「では一度ですね」
「おかしな宗教でもないらしいし」
 そうしたことも踏まえてであった。
「それならね」
「ではその様にされて」
「そうするよ。じゃあお昼になったし」
「洋食を召し上がられますか」
「そうだね」
 妹の祖の誘いにだ。兄はにこりと笑って応えた。
 そのうえでだ。席を立ってこう言った。
「じゃあ何を食べようかな」
「カレーはどうでしょうか」
「カレーを」
「はい、それにです」
 義美はカレーだけでなくだ。もう一つメニューを勧めてきた。
「ハンバーグか。若しくは」
「若しくは、か」
「カツレツはどうでしょうか」
 この二つを言ってきたのだ。
「無論サラダもです」
「それもか」
「はい、どうでしょうか」
 微笑んで兄に提案する。
「カレーとです」
「サラダ、そしてか」
「ハンバーグかカツを」
「どちらがいいかだな」
「どちらも人気メニューです」
 そのだ。ハンバーグもカツレツもだというのだ。
「ですからここは」
「そうだな。それではだ」
「どちらにされますか?」
「ハンバーグもいいがここは」
 この言葉で決まりだった。おおよそ。
「カツレツにしようか」
「それにされますか」
「そうしよう。カツだ」
「はい、それでは」
 義美も頷きだ。そのうえでだ。
 二人はそのレストランに向かった。そこは白いテーブルかけが目立ち窓ガラスの大きい店だった。内装は言うまでもなく洋風だ。
 
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