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儚き想い、されど永遠の想い

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328部分:第二十五話 強い一歩その三


第二十五話 強い一歩その三

 家族達、二つの家の家族達にだ。話したのだった。
「皆さん、宜しいでしょうか」
「少しお時間を下さい」
「やはりですな」
「はい」
 二人の父親達がだ。二人を見てだ。 
 そうしてだ。強張った顔で頷き合ってだ。
 そのうえでだ。二人を見て話すのだった。
「はじまりましたか」
「いよいよ」
「では見守りましょう」
「何を言おうとも」
 二人もだ。覚悟を決めてだ。子供達を見守ることにした。
 家族の視線が自分達に集中していることを感じながら。その中でだ。
 義正も真理もだ。少しずつ。
 口を開きだ。そして言ったのだった。まずは真理がだった。
「今私にはです」
「真理さんには」
「まさか」
 彼女の姉達がだ。妹の言葉を聞き言う。
「だからここにですか」
「私達を」
「聞こう」
 兄がだ。ここで彼女達に言った。
「真理の言葉を」
「そうですね。今は」
「そうするべきですね」
「そうしよう」
 これが妹達に言うことだった。
 そうしてだ。義正の兄達もだ。
 弟を見てだ。それぞれ言っていた。
「今日の義正はな」
「はい、いつもと違いますね」
「決定的な。何かがな」
 義愛はだ。こう義智に返す。
「違うな」
「そうですね。間違いなく」
「問題は何が違うかだ」
 義愛は末弟を見ながら言う。
「それがわからない」
「確かに。決意はしているようですが」
「その決意が何かがな」
「どうしてもですね」
「一体何を決めて何をするのか」
「それが」
「運命ですね」
 ここでだった。言ったのは。
 彼等の妹である義美だった。彼女がだった。
 二人の兄達にだ。こう言ってきたのである。
「義正お兄様の」
「運命をか」
「決めたというんだね」
「そうです。そしてそれをです」
 どうかとだ。義美は話していくのだった。
「私達は見守るべきです」
「例えその決意がどういったものでも」
「それでもだな」
「はい、そうしましょう」
 彼女の言葉は決まっていた。その心もだ。
 そうしてだった。彼女は。
 二人の兄にだ。また言ったのだった。
「義愛お兄様も義智お兄様もですね」
「そうだな。そうするべきだな」
「絶対にな」
「はい、そうして下さい」
 こう告げたのだった。こうしてだ。
 誰もがだ。二人を見守っていた。家族として。
 そしてだ。いよいよだった。
 義正と真理はお互いの顔を見てだ。そうしてだった。
 
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