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儚き想い、されど永遠の想い

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326部分:第二十五話 強い一歩その一


第二十五話 強い一歩その一

                 第二十五話  強い一歩
 伊上の屋敷にだ。八条家と白杜家の者達がそれぞれ集っていた。
 それでだ。彼等はそれぞれだ。宴の場である屋敷の大広間に集まりだ。それぞれ話していた。
 そこは西洋、英吉利のそれを思わせるカーテンと窓が印象てきな白い部屋だった。その中においてだ。
 お互いにだ。いぶかしむ顔で話す。
「我々は和解したというのに」
「何故またこうして共にとは」
「両家の者達を集めていますが」
「これは一体?」
「どういうことでしょうか」
 こう言い合いだ。首を捻るばかりだった。しかしだ。
 両家の当主達はだ。それぞれ和服で宴に出てだ。それで話していた。
「今回はですな」
「そうですな」 
 二人は向かい合ってだ。それでお互いの考えを出していく。
「間違いなく何かありますな」
「伊上さんは何かを御考えです」
 そのことはすぐにわかった。しかしだった。
 それ以上のことはどうしてもわからずだ。それでだった。
 八条家の総帥がだ。言ったのだった。
「おそらくはです」
「我々のことですね」
「そうです、両家に関わることで、です」
 それでだ。伊上は彼等を呼んだというのだ。
「そうしたのでしょう」
「だとすると」
 彼の言葉を受けてだ。白杜家の総帥もだった。
 考える顔でだ。述べたのだった。
「誰に関することなのか」
「義正と」
「真理のことですか」
「そう思います」
 八条家の総帥はこう察した。
 そうしてだった。また述べたのだった。
「問題はそれが何かですが」
「ふむ」
 白杜家の総帥はその義正と真理を見た。彼等は。
 タキシードに白いドレス、髪も整えてだ。
 そのうえで宴の場にいた。その二人を見てだ。
 彼はだ。呟いた。その言葉は。
「見たところ、いえ」
「そうですね。表には出さないようにしていますが」
「そうですな」
「ではやはり」
「あの二人のことですな」
「では」
 そのことを把握してからだ。そのうえでだ。
 二人はそれぞれの息子と娘を見てだ。考える。
 そしてだ。今度は白杜家の主が言った。
「では、です」
「それでは?」
「二人は夫婦ですから」
「子供が出来たのではというのですね」
「そうではないでしょうか」
 彼はこうだ。八条家の主に対して話した。
「それをここで家族に話す為に」
「いえ、それですと」
 しかしだ。この考えにはだ。
 八条家の主はだ。いぶかしむ顔で反論したのだった。
「あまりにも大袈裟です」
「家族同士の集まりにしてもですね」
「そうです。わざわざ伊上先生のお屋敷で言うことでもないでしょう」
「確かに。それは」
「病ではないでしょうか」
 八条家の主は悲観論を口にした。
「二人のうちのどちらかが」
「そしてそのことをですか」
「ここで言うつもりではないでしょうか」
 こう言ったのだった。
 
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