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オズのトト

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第六幕その六

「いつも楽しくね」
「そうなの」
「胡瓜畑も近くに作ってね」
「胡瓜は河童の大好物なのだよ」
 ムシノスケ教授がここで恵梨香以外の皆にお話しました。
「だからいつも食べているのだよ」
「そうそう、胡瓜がないとね」
 どうしてもとです、河童も言います。
「僕は駄目なんだ」
「わし等は葡萄だ」
「あと豆腐だ」
 赤鬼と青鬼はにこりとした目でお話しました。
「酒も大好きでな」
「そうしたものも好きだぞ」
「それで畑もあるぞ」
「この山の麓にな」
「あっ、お豆腐あるんだ」
 お豆腐と聞いてです、神宝は笑顔になりました。
「それはいいね」
「お豆腐って美味しいよね」
 ジョージもお豆腐が好きなので笑顔になっています。
「どんなお料理にも合うし」
「そのまま食べても美味しいよね」 
 カルロスは冷奴をお話に出しました。
「お醤油とかかけてそれをあっさりと」
「湯豆腐もいいわよ」
 ナターシャはこのお料理を思うのでした。
「熱くて」
「お豆腐はあっさりとしていて色々なお料理が出来るからね」
 カエルマンもお豆腐について笑顔でお話しました。
「いいんだよね」
「お豆腐は揚げにも出来るし」
「あれがまたいいんだよ」
「とてもね」
 狐と狸、貉はお豆腐から揚げのお話をしました。
「特に狐君達は好きだね」
「僕達も好きだけれど」
「そうそう、稲荷寿司もきつねうどんも大好きだよ」
「何か妖怪それぞれで好みがあるんだね」
 トトはここまで聞いてこのことに気付きました。
「胡瓜やお豆腐や揚げにって」
「そうみたいだね」
 オジョはトトのその言葉に頷きました。
「聞いていると」
「その通りじゃ」
 油すましがトト達に答えました。
「ちなみにわしは油が好きじゃ」
「ああ、だからなんだ」
「それで油すましって名前なんだ」
「そうじゃ、だから油を粗末にしてはならん」
 油すましはトト達にこうも言いました。
「そこは気をつけてもらいたい」
「まあそれはね」
「僕達にしてもね」
 トトもオジョも油を粗末にすることにはこう言います。
「よくないよね」
「無駄使いは」
「お料理によってはかなり使うけれど」
「それでもね」
「左様、好きなもんこそ大事に使う」
 粗末に使わずにというのです。
「それが大事なのじゃよ」
「しかし最近の油はのう」
「随分と種類が増えたわ」
 子泣き爺と砂かけ婆がお話をしました。
「オリーブオイルだ何だのと」
「随分とのう」
「あっ、昔の日本にはオリーブオイルはなかったわね」
 ドロシーはここでこのことを思い出しました。
「そういえば」
「そうなのじゃよ」
「これがな」 
 子泣き爺と砂かけ婆はドロシーに答えました。
「胡麻や菜種の油が多かった」
「昔の日本はな」
「サラダオイルとかもなかったぞ」
「そんなの最近ばい」
 塗り壁と一反木綿もお話してきました。 
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