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オズのトト

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第五幕その四

「君達の移住先の」
「本当にいいのかい?」
「いいのだよ、国民の幸福や願いを適えるのが政治だよ」
 それでというのです。
「だからこそ」
「探して見付けてくれるんだね」
「それが公約だよ」
 今現在のそれだというのです。
「我々のね」
「じゃあ任させてもらうね」
「うむ」
 教授はここでも気取ったそれでいて愛嬌のある仕草で応えました。
「むしろ任せてもらいたい」
「じゃあね」
「やらせてもらおう」
「それじゃあね、頼むよ」
「是非共」
「じゃああたし達はここにいるね」
 麓にというのです。
「それで吉報を待っているよ」
「うん、そういうことでね」
 またトトが応えました。
「すぐに出発するよ」
「悪いね」
「ただもう夕方だから」
「もう少ししたら寝る時間だね」
 このことはお婆さんも言います、しかもこうも言うのでした。
「あたし達は夜は見えないしね」
「鳥さんだからね」
「鳥目はね」
「そうだよね」
「だからあたし達もね」
「もう少ししたらだね」
「寝るよ」
 実際にそうするというのです。
「そうするよ」
「やっぱりそうだよね」
「それでお日様が出ると起きるんだよ」 
 そうするというのです。
「鳥はね」
「とにかく夜は駄目だね」
「そうだよ、そしてあんた達もだね」
「うん、夜は寝るよ」
「そうするんだね」
「確かにすぐに出発するけれど」
「そうしないと駄目だよ」
 急げとはです、お婆さんも他の鳥達も決して言いませんでした。
「夜に歩いたら危ないからね」
「僕は夜も見えるけれどね」
 トトは犬として言いました。
「けれどオズの国の法律でも決まってるね」
「夜の冒険は歩くなってだね」
「そうなってるしね」
「それじゃあ歩いたら駄目だよ」
 夜はというのです。
「特に山の中は足元が危ないからね」
「余計にだね」
「歩くものじゃないよ」
 絶対にというのです。
「そこはね」
「そうだね、じゃあね」
「ああ、ゆっくりとね」
 焦らずにというのです。
「進んでいかないとね」
「じゃあそうしていくね」
「そのうえで頼んだよ」
「それじゃあね」
 こうお話してでした、そのうえで。
 一行は鳥さん達と別れてでした、すぐに彼等害獣出来る場所を探す為に出発しました。ここで。です。
 オジョは皆にです、こう言いました。
「長老さん達とのお話で南の山々のお話が出たけれど」
「あそこは誰の山でもないのね」
「うん、そうなんだ」
 実際にとです、オジョはドロシーに答えました。 
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