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儚き想い、されど永遠の想い

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222部分:第十六話 不穏なことその十四


第十六話 不穏なことその十四

「学問は大学等で学ぶだけではなく」
「産業からもか」
「ですから。勉強であると共に」
「学問だな」
 話を聞いてそれから考えてであった。
 彼はだ。あらためて妻にこう話した。
「そうだな。そうなるな」
「あなたもそう思われるのですね」
「そう思うようになった」
 他ならぬだ。妻のその言葉を聞いてだというのだ。
「成程な。そうだな」
「この世のあらゆるものが」
「かつて。我が国の元勲達も」
 時代は遡る。明治維新まで。
「西洋に赴きそのうえで学んだ」
「西洋のその素晴しいものをですね」
「全てな」
 まさにだ。西洋の全てを学んだのが彼等だった。
 そしてそのうえでだ。彼等は自分達にとって必要なものを身に着けそうして国家を発展させたのだ。そうした学問であったのだ。
 それもわかってだ。彼は頷いて話すのだった。
「そうだな。それと同じだな」
「そして学ぶとなれば」
「必要なものを全て取り入れる」
 彼は言った。
「そうするのだな」
「左様ですね。それではです」
「いいことか」
「早急であってもです」
 それでもだというのだ。それも含めて。
「いいことでした」
「そうか。そう言ってもらい何よりだ」
「しかし。車ですね」
「それはわからないか」
「本当にそうなるのでしょうか」
 いぶかしみながらだ。夫に問う彼女だった。
「我が国に車が普通にですか」
「そうだ。走っている様になる」
「車の様な高価なものが」
「為せば成るだ」
 こんなことも妻に話す。
「そう思えばだ」
「できますか」
「少なくとも不可能ではない」
 言い切った。確かにだ。
 
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