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漢道

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第二章

「大阪の街と人達を護るで」
「例え何があっても」
「何時でもですか」
「そうする、おとんみたいにな」
 自分を守って死んだ父の様にとだ、当直はいつもそう考えてその様に動いていた。そうして大阪二十六戦士として戦っていた。
 そんな中だ、何と通天閣大阪を象徴するそこにだ。
 逃げ損ねた銀行強盗達が通天閣に遊びに来ていた子供達を人質に立て籠もった、その事件のことを聞いてだった。
 大阪府警の警官達と大阪二十六戦士達が駆け付けた、その中には当直もいた。通天閣はすぐに彼等に囲まれたが。
 子供達が人質に取られていてだ、彼等も迂闊に動けなかった。
「下手に動けば子供達が危ない」
「だから迂闊にはやっつけられないぞ」
「早く何とかしたいが」
「どうすればいいんだ」
「うだうだ考えてもあかんやろ」
 困っている警官達と仲間達にだ、当直はこう言った。
「そやからや」
「おい当直まさか」
「いつもみたいにするのか?」
「ここは考えずに突っ込んで」
「銀行強盗達をやっつけて」
「子供達を助け出しますか」
「そうするわ、子供達に何かする前に」
 それこそと言う当直だった。
「俺が突っ込んでや」
「強盗達をやっつけて」
「そうしてか」
「子供達も助け出す」
「そうするか」
「そうや、ここは俺に任せてくれ」
 当直は仲間達に強い声で言った。
「是非」
「しかしな」
「子供達が人質だからな」
「ここは迂闊なことをしたら子供達が危ない」
「下手に突っ込むと子供達が」
「そう考えると」
「わかってる、けどや」
 それでもと言った当直だった。
「ここは考えがあるさかいな」
「ちゃんと子供を助ける」
「それだけの策があるか」
「だからか」
「やれるか」
「そや、任せてくれ」
 こう言ってだ、当直は一人で通天閣の強盗達が立て籠もっているそこに乗り込んだ。強盗達は何人もの子供達に銃を突き付けていた。
 当直はその強盗達の前に出て高らかに言った。
「アホ共子供解放せえや」
「何だ手前」
「何処から来た」
「俺を知らんとこ見ると大阪のモンやないか」
 当直は彼等の言葉からこのことを察した、大阪二十六戦士の一人である自分を知らない大阪人なぞいないからだ。
「そうか、けどそれなら好都合や」
「好都合?何言ってやがる」
「たった一人で来て馬鹿かこいつ」
「武器は木刀一本じゃねえか」
「俺達は拳銃もショットガンも持ってるんだぞ」
「それで俺達にどう勝つつもりだ」
「そんなもんピンポン玉以下や」
 銃どころかショットガンもというのだ。
「撃たれても何でもない、おどれ等が子供達に撃とうとしても」
「それでもか」
「俺達は本気だぞ」
「子供達を本気で撃つぞ」
「それでもか」
 子供達は実際に銃を突き付けられている、それで涙を流して震えて怯えている。強盗達はその子供達を見つつ言うのだった。
「それでもかよ」
「俺達をやっつけるって言うのかよ」
「そんなこと言う暇あったら車出せ」
「車用意しろ」
「逃げる為のな」
「アホか、犯罪者にそんなん許すか」
 それが当直の返事だった。 
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