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オズのトト

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第三幕その八

「オズマ姫位って」
「そう、私もカンサスにいた時にちょっと聞いただけだけれど」
「オズマ姫みたいな人なんだね」
「頭がよくて凄く魅力的で決断力もあってね」
「そうした人だったんだ」
「そうだったの」
「カエサルさんは確かに凄いね」
「そうだね」
 ジョージと神宝がお話しました、勿論五人も教授もカエルマンもケーキと飲みものを楽しんでいます。この二人はレモンティーを飲んでいます。
「痛快っていうかね」
「そんな人だね」
「何か借金が凄かったらしいけれど」
「そこは困りものね」 
 カルロスとナターシャはカエサルさんのその困ったところをお話しました。二人が飲んでいるのはミルクティーです。
「どうもね」
「そうしたところはね」
「借金、オズの国にはない概念だね」
「そうだね」
 教授とカエルマンはコーヒーを飲みつつお話しています。
「お金自体がないから」
「外の世界とは違ってね」
「だから僕達は借金については」
「わからないね」 
「物凄い借金があったらしいんです」
 恵梨香はその二人にお話しました。
「何でも」
「そうだったんだね、その借金が」
「とんでもなかったんだ」
「そうです、ただ」
 ここでまた言った恵梨香でした。
「普通外の世界では借金ってない方がいいんです」
「ふむ、そうしたものなのか」
「よくないものなんだね」
「けれどカエサルさんは平気でどんどん借金をしていったとか」
「そのお話信じられないよ」
 トトは横で恵梨香のお話を聞いて首を傾げさせました。
「ドロシーのお家はその借金でね」
「そう、カンサスのお家をどうしようかってなっていたから」
 ドロシーも言います。
「借金が怖くないとか」
「信じられないよね」
「全くよ」
「カエサルさんって本当に凄い人だね」
「そうした意味でもね」
 ドロシーはカエサルさんの借金のことは知らなかったですがそれでもこうして言うのでした。
 そしてです、トトはこうも言いました。
「オズの国は借金もないからね」
「そのこともいいことね」
「全くだよ、お陰でお家を売らないといけないって時もないから」
「オズの国はこのことでも最高よ」
「その通りだよ」
 借金のことをよく知っている彼等は心から思うことでした、オジョはそんな彼等のお話を聞いて思うのでした。
「借金はないに越したことはないんだね」
「そうなんだ」
 トトが応えます。
「本当にね」
「外の世界も面白いっていうけれど」
「借金のことはね」
「困るんだね」
「僕達本当にそれで困ってたから」 
 その借金でというのです。
「余計にそう思うよ」
「トト達も苦労したんだね」
「危なかったからね、どうなっていたか」
「そうよね、けれど今はね」
 どうかとです、ドロシーが言うことはといいますと。
 ここで、こう言ったのでした。
「借金がないからね」
「お金自体がないからね」
「幸せよ、そういえば外の世界での私って」
 その時はどうだったかとです、ドロシーは思い出して言うのでした。
「何か叔父さんと叔母さんが困っている場面ばかり見ていたわ」
「僕もだよ」
 ずっと一緒にいるトトも同じでした。 
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