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儚き想い、されど永遠の想い

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170部分:第十三話 運命の告白その十三


第十三話 運命の告白その十三

「そうあるべきです。そしてです」
「あの二人を」
「認めるべきですか」
「何でしたらです」
 伊上はここで勝負、賭けに出た。
「今ここで、です」
「あの二人を止める」
「そうするべきだというのですね」
「私は今は止めることはしません」
 これが賭けだった。二人が義正と真理を止めるかどうか、それを賭けたのである。
「どうしても許せないならばです」
「あの二人を」
「あの間に入りそして」
「そうされてはどうでしょうか」
 再び二人に話す。
「どうしてもと仰るのならです。そうされては」
「それは」
 まずはだ。父が苦い声で言った。
「あの二人をここで引き裂けば」
「話は終わりです」
 こうも言ってみせるのだった。
「それで全てはです」
「しかしですか」
「私は止めませんぞ」
 また強く言う伊上だった。
「御約束します」
「では私次第ですか」
「はい」
 まさにそうだというのだ。
「その通りです」
「左様ですか。私次第ですか」
「それでどうされますか」
 彼に対して問い続ける。無論彼女にもだ。
 伊上はあえて義正と真理の方を見たままだ。二人に問うのだった。
「行かれますか。どうされますか」
「わかりました。それではです」
「私達はです」
 二人も意を決した顔になった。そうしてだ。
 伊上にだ。こう答えた。
「私達はここにいます」
「この場にです」
 二人同時に言った。
「そうさせてもらいます」
「そのことを決めました」
「わかりました」
 それを受けてだ。伊上は静かに頷いた。
 そうしてそのうえでだ。彼は微笑んで言うのだった。
「それではここで見ていましょう」
「まさか。こうなるとは」
「本当に思いませんでした」
「ですがどう考えておられるでしょうか」
 伊上はまた二人に問うた。しかし問うたことはこれまでとは違っていた。
「今は」
「不思議と落ち着いています」
「どうしてかはわかりませんが」
 こう答える二人だった。
「八条家の人間が相手だというのに」
「どうしても。それは」
「それはお二人がです」
「我々がですか」
「我々がだというのですか」
「そうです。御息女を認めておられるからです」
 それでだというのだ。これが伊上の今の二人への言葉だった。
「だからこそ動かれずです」
「そして落ち着いている」
「そうだというのですね」
「御息女には幸せになって欲しいですね」
 今度はこのことを問う伊上だった。
 
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