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儚き想い、されど永遠の想い

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161部分:第十三話 運命の告白その五


第十三話 運命の告白その五

「この場でな」
「幸せですか」
「それがですか」
「はじまるのですか」
「そうなのですか」
「厄介は話は終わらせるに限る」
 伊上は言った。
「そして幸せな話はだ」
「はじめるべきですね」
「それに対して」
「そうだ。それが今なのだ」
 こう言うのだった。
「そういうことだ」
「それでこうした場にされたのですか」
「白で統一されたのですか」
「そうだったのですか」
「そういうことだ。幸せをはじめるにはだ」
 その色はだ。何かというのだった。
「白だ」
 まさにだ。今この場の色だというのだ。
「そこからはじめてだ」
「さらにですか」
「あるのですね」
「あるからこうした」
 伊上ははっきりと話した。
「なければしない」
「だからですか」
「それで今もこうして」
「ここにおられるのですね」
「そうだ。わしは見る」
 彼もまただ。白で統一していた。白いタキシードを着てだ。そこにいた。
 そしてそのうえでだ。彼は話すのだった。
「そのはじまりをな」
「はじまりですか」
「それをですか」
「見させてもらう。君達もじゃ」
 周りにもだ。確かな声で話した。
「見てくれ。じっくりとな」
「何かはよくわかりませんが」
「それでもです」
 周りの者達もだ。彼に応えてだった。
 そのうえでだ。姿勢を正したうえで話すのだった。
「それを見させてもらいます」
「是非共」
「そうしてもらえるか」
 伊上は周囲の言葉を受けてだ。笑顔になった。そしてそのうえでだ。今はそれぞれの家のところにいる二人を見守っているのだった。
 舞踏会は華やかに行われている。その曲もだった。
「どの曲も何か」
「そうですね。これはです」
「何かが違いますね」
「全くですね」
 こう話していくのだった。場にいる者達もだ。
「舞踏というよりは婚礼の」
「そうしたものを祝う曲ですね」
「そうした曲ばかりですが」
「妙な感じですね」
 ワルツやそうしたものではなくだった。そうした曲だからだ。
 彼等もだ。首を傾げているのだった。その中でだ。
 義正もいた。そしてだった。彼は兄達に話すのだった。
「今から踊って宜しいですね」
「んっ、それは別に」
「断ることもないと思うが?」
「そうですね」
 義正の話を聞いてだ。少し戸惑ってから答える二人だった。
「それ位のことはな」
「特に。そう思うが」
「それならです」
 二人にも言われてだ。それでだった。
 彼は舞踏の場に向かう。それを見てだ。
 
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